遺棄されるものたち 

50年ほど前のことと言われます。小笠原の父島に、爬虫綱イグアナ科のグリーンアノール(Green Anole)が、おそらく

    ペット

として持ち込まれました。それが逃げ出したり遺棄されたりして野生化したようです。アメリカのルイジアナあたりが移入元だといわれます。それから15年ほど後には母島にも、さらに何年か後には沖縄にも入ったようです。
大きいのはオスで、全長20cmほどあり、メスは15cm前後。
自然に満ちて、餌になる虫も豊富な小笠原の島は、彼らには住みやすい土地だったのでしょう。オガサワラシジミ(蝶)、オガサワライトトンボ、シマアカネ、オガサワラゼミなどの

    固有種

の虫が次々に食べられていきました。固有種がどうのこうのということはグリーンアノールには何の関係もありません。その結果、これらの虫たちは絶滅やそれに近い状態になったのだそうです。
虫だけではありません。在来のオガサワラトカゲは食餌において競合する上に、その子どもはグリーンアノールに食べられることもあるのだそうです。
これは大変だ、小笠原の固有種の虫を守らねばならない、というので、哀れなるかな、何の罪もないグリーンアノールを駆除する施策が進められているようです。粘着トラップ(簡単に言えばゴキブリホイホイのグリーンアノール版)なども用いられるようですが、これはほかの動物を捕らえてしまう可能性もあるので慎重にしなければならないのだとか。

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小笠原では以前も北米原産のウシガエルを根絶させたことがあり、外来種に対しては敏感に反応しています。
なにしろ小笠原諸島は過去に一度も大陸と陸続きになったことがないといわれ、固有種の宝庫。それゆえに

    世界自然遺産

にも登録されているのです。
環境省などはグリーンアノールを目の敵にして、駆除することに躍起になっています。役所の仕事としての理屈はもちろん分かります。それにしても強者である人間の論理です。
一方、精一杯力強く生きて自分の子孫を繁栄させようとしているだけの、弱者であるグリーンアノールは「グリーンアノールホイホイ」に足をとられて一巻の終わり。
桂枝雀さんふうに言うなら、「奴らがあんまりにもかわいそうだっせ」「言うていくとこがおまへんがな」ということになるでしょう。
米朝師匠ふうに言うなら「そないいうたかて、世の中

    かわいそうだらけ

で成り立ってるんやがな」ということでしょうか。
視点は異なっても、この両師匠はさすがに落語家。落語はいつも弱者の目を失わないものだと思います。
持ち込んでおいて、逃がしてしまい、人間社会に迷惑をかけたといって捕獲される。そういう話はほかにもいくつもあります。
いや、動物だけでなく、人間が犠牲になることだってあります。

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