筆ペン 

「芳名」ということばがあります。芳しいお名前。相手を敬ってその名前のことをこんなふうに言った昔の人はなかなかいい言葉のセンスがあったようです。
「芳」という字を使う熟語には「芳信」「芳心」「芳情」「芳志」などもあります。いずれも相手の手紙や心を敬って言うものです。
「ご芳信ありがたく拝読いたしました」「ご芳名はかねがね承っております」など、手紙文などでは今でも使えますね。ほとんどの学生はそういう表現を知りませんので、

    社会人の言葉遣い

として教えるというか、そういう言い方もあるんだよ、という話を授業の中でしています。そんなので授業になるの? 大学の授業って簡単だね、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、はい、こういう授業もあるのです。
自分では使わなくても、「芳名」ということばを目にすることがあります。

    芳名録

あるいは芳名帳という形で、パーティその他のセレモニーなどで受付に置いてあります。
あれに記帳する時、たじろぐことがあります。すぐ横にやたら達筆の人が名前を書いていると、なんだか書きにくいのです。あるいは目の前で筆を取り上げてさらさらと記帳されると、その横に置いてあるサインペンなど取りにくくなってしまいます。

にほんブログ村 演劇ブログへ
 ↑応援よろしく!

kgaeonrjuiをフォローしましょう

私は左利きなのに無理に右手でペンを持つようにさせられました。それだけにかなりの悪筆で、小さい時から強いコンプレックスを持っていました。高校時代には音痴で絵などまるで描けないので音楽も美術も取れず、芸術科目は書道を採ったのです。そこでも同級生からバカにされるような悪筆ぶりを発揮。先生にも苦笑されていました。
しかし大学で国文科に進んだため、

    変体仮名

の読み方を学ぶことになりました。中学校教員の免状に必要だった書道の授業では相変わらず先生から目の敵にされていましたが、変体仮名を読むのは大好き。熱心に取り組みましたので、学生の中でも割合に読める部類に入っていました。
読めるようになるコツのひとつは、自分で見よう見まねに書いてみることなのです。それで私は当時流通し始めていた筆ペンを駆使することになります。これなら面倒ではありませんし、なんとなく筆で書いているという疑似体験もできますので。すると、

    自分の名前

くらいはあまり苦にならずに書けるようになりました。今でもうまくはありませんが、筆ペンで宛名書きをするのは何ら面倒には思いません。
で、あつかましくも学生にこんなことを勧めています。「筆ペンでいいから、自分の名前をきれいに書けるようにしておいた方がいいよ」と。
悪筆の私が言えたものではないのですが、今後彼女たちは結婚式などで芳名録に記帳することは増えるはずです。そのときに名前だけでも書けると私のように恥ずかしい思いをしなくて済むからです。
はい、こういう授業もあるのです。

スポンサーサイト

コメント

写経

亡くなった父が隠居生活の折に写経をしていて、
よく書けたと思った物には古い絹など張り合わせ
た自作の台紙を作り、そこに貼り付けていまし
た。見ていると、なかなか楽しそうで自分も隠
居したら挑戦してみたいと思っているのですが、
このご時世で物価は上がる、年金で生活が成り
立って行くのか?という危惧の方が重くのしか
かってきています(とほほ・・・)

♪やなぎさん

年金の話になるとゾッとします。
このあいだ、生涯学習の話をしていたら、ある学生が、私たちは将来年金生活なんてできないと思う。だからゆとりある老後は送れない。生涯学習といわれても、学習するゆとりがないかもしれないのです、と言っていました。
学生はもっと切実、敏感に受け止めているようです。
ご尊父様のご趣味、いいですね。私もやってみたいです。さらに筆ペンの練習をしなきゃ!

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tohjurou.blog55.fc2.com/tb.php/3587-1002d6d7