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生写朝顔話2(有朋堂文庫による) 

「岡崎」の段切で瓜生勇蔵が秋月弓之助に国許の状況を語り、それゆえに弓之助はあわてて帰国の途に着いたのでした。その状況は次のようなことでした。
お蘭の方の威光を借りて蘆柄伝蔵(お蘭の弟)が金銀を貪った結果、領内の民が一揆を起こし、大乱となる気配です。そこで芸州(安芸国)岸戸の殿は弓之助に頼るほかはないと帰国を求めてきたのです。

弓之助屋敷
安芸国の一揆は収まり、秋月弓之助は以前も増して重用されるようになりました。しかし阿曽次郎のことが忘れられない娘の深雪は心が晴れません。
弓之助の留守中に蘆柄伝蔵が来ました。伝蔵はかねてから深雪を妻にしたいと申し出ており、姉のお蘭の方の威光を笠に着て弓之助の妻の操に返答を迫るのです。不快に思った操は「娘は病気だ」とごまかそうとします。そして家捜しをすると言い出す伝蔵に対して、無礼を咎めて長刀を取り出します。さすがの伝蔵もすごすごと引き上げるのでした。
ややあって弓之助が帰ります。妻が御前の首尾を尋ねると、弓之助は加増されたことなどを話し、さらには大内家の使者として来ていた駒沢次郎左衛門という

     人品骨柄の立派な

武士と酒席をともにしたと話します。殿がこの若武者と深雪の結婚を勧めると話は一気に進み、舅と婿の固めの盃までしてきたというのです。
操はあまりにも性急だと思うのですが、弓之助は次郎左衛門を「日本一の上々婿」と称えてご機嫌の体です。酒を過ごした弓之助は暫時休むと居間に行きます。

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娘が宮城阿曽次郎という男のことを慕っていることを、操は腰元たちから聞いて知っているので悩みます。しかし夫がそこまでほれ込んだ男なら、と

    娘を説得

しようとします。操は深雪を呼んで「阿曽次郎のことは知っているが、殿が仲人をしてくださっていることでもあり、この縁談を受けなさい。先ほど蘆柄伝蔵が来て婿になろうといってきた。追い返したが、またお蘭の方の威を借りて難題を言ってくるかもしれないから、早く結婚するほうが良い。乳母の浅香と相談して返事しなさい」と勧めて座を立ちます。
深雪は阿曽次郎への思いを捨てきれず、この縁談を断れないなら

    自害して

未来で阿曽次郎に会いたいと考え、書置きをしたためます。
浅香の声がするので深雪はあわてて飛び石伝いに裏道に抜け出します。
浅香が深雪を探して現れ、書置きを見つけて、弓之助夫妻を呼びます。弓之助は奴の関助に捜索を命じ、一家中は大騒動になります。

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