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生写朝顔話6(有朋堂文庫による) 

現在の上演は大井川で終わりますが、有朋堂文庫には「帰り咲吾妻の路草」(道行)と「駒沢上屋敷」が翻刻されています。原作とは異なる増補あるいは改作なのでしょうが、いちおうこれも書いておきます。

帰り咲吾妻の路草
昔の姿に戻った深雪は二川、吉田、御油、赤坂と西上し、藤川縄手で休息します。遅れてやってきた関助とともにさらに道を急ぎます。

駒沢上屋敷
大坂の駒沢の上屋敷。大内義興は東国で大友の残党を誅伐して帰国する途中、岩代多喜太をお供にしてこの屋敷に立ち寄ります。義興は「大友の残党がなおも徘徊しているというが、攻め討つ方法はあるか」と問います。岩代は危険だからやめたほうがいいという旨を言上するので、駒沢は「それはあとのことにしてまず茶を一服」と奥の亭に義興を誘います。
関助が深雪を伴ってやってきました。駒沢が出てくると深雪は嬉しく、もじもじしています。駒沢は深雪にいたわりの言葉をかけ、「今日は殿のおなりなので、わけを申し上げてお許しがあれば添い遂げよう」と言います。すると義興が現れ、「話は聞いた。今ここで

     祝言しよう」

と言い、婚儀がおこなわれます。そこに岩代が出てきて憎まれ口を叩いたあと帰ろうとすると、「大友一味の反逆人、そこを動くな」と声を掛ける者があります。駒沢庄一郎(春次)でした。

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岩代が不審に思っていると、春次は岩代に向かって「摩耶が嶽で薬王樹を奪い返して国許へ帰る途中、播州舞子の浜の松原で山岡玄蕃からそのほうへの内通の飛脚に出会い、その書状を見るとそなたの企みがわかった。またさきほどそなたが懐中から落としたこの手紙を開いてみると悪事の次第が委細知られる」と言い、次郎左衛門も「いつぞや島田の宿で、毒薬でそれがしを殺そうとした人非人め」とねめつけます。

    もはやこれまで

と岩代は斬りつけますが、関助が隔てて、ついに岩代は首を落とされます。
義興は関助をほめたたえ、「三百石を与えて武士に取り立てる。また、庄一郎は駒沢了助と名を改め、忠勤を励め」と言うのでした。

『生写朝顔話』の全体像はおよそこういうことのようです。原作は少し違うのかもしれませんが、あらすじとしては大差ないような気がします。

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