蚊遣り 

今年の夏も何度か蚊の餌食になりました。
私の血なんて栄養価は低いですよ、と言いたいのですが、容赦してくれませんでした。
外で仕事をする方は腰に携帯用の蚊遣り器を付けたりしていらっしゃいます。毎年、「あれ、一つ欲しいな」と思ったりもしています。

    上村松園

の「蛍」という絵(彼女はしばしば蛍と女性を描いています)に、蚊帳を吊っている女性が振り返ったところに蛍がいるものがありますね。同じ虫でも嫌われ者と愛される者があって、こればかりはしかたがないでしょうね。
私は子どもの頃、蚊帳がありました。あれはほんとうに楽しいものでした。どう考えても子供だけの秘密基地。大喜びしました。ただ、蚊帳の中に蚊がいたときは厄介でしたが。
蚊取り線香は上山英一郎さん(1862~1943)という、あの

    大日本除虫菊(金鳥)

の創業者の方が工夫されてできたものだとか。最初は棒状のものだったのが、長時間の使用に耐えて安全性もある(かさばらないから、燃える面積が狭い渦巻状に進化したのですね。あれはもうノーベル賞者の発明だろうと思います。
延々と(7時間ほど使えるようです)煙が立ち続けて、その姿には風流すら感じます。

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ではそれ以前はどうしていたのかというと、もちろんただ蚊の好きにさせていたわけではありません。ご存じの

    蚊遣火

がありました。
Wikipedeiaを見ますと、「よもぎの葉、カヤ(榧)の木、杉や松の青葉などを火にくべて、燻した煙で蚊を追い払う」ものだそうです。
『徒然草』にも、

水無月のころ、あやしき家に夕顔の白く見えて蚊遣火ふすぶるもあはれなり。

とあります。
「かいぶし」(蚊をいぶす)ともいいますが、発音すると「蚊遣り」のほうがやわらかくてよさそうに思います。
「いぶす」というといかにも蚊を攻撃する感じが強いです。
すでに秋なのになぜこんなことを思い出したかと言いますと、今考えている短い浄瑠璃の舞台を江戸の大川(隅田川)にしようと思っていまして、季節は夏。ちょっとロマンティックなものにしたいと考えています。
隅田川には「蔵前」の地名のもとになった「お米蔵」が並んでいましたが、そこに

    首尾の松

と言われるものがありました。
猪牙船で夕涼みをしている旦那が三味線を弾く芸者の身の上話を聞くような話にしたいのですが、そこに蚊遣りを小道具として使おうかなと思ったりしています。
なかなか難しいです。

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