紅葉の季節 

秋の植物というと以前ここに書いた七草や菊が思い浮かびますが、大阪の中心部あたりにお勤めの方はイチョウも忘れてもらっては困る、とおっしゃるでしょう。私はこの木にはあまり馴染みがないのですが、やはり街路樹の代表格。なんといっても御堂筋が有名です。
ただ、冬になると何億円かは知りませんが、目が飛び出すほどのお金をつぎ込んでそのイチョウの木に線を張り巡らしてピカピカさせるのだそうで、私はどうもあれが好きになれません。これは知事がどうだとか市長が誰だとか、そういうこととは関わりなく苦手なのです。楽しみにしていらっしゃる方には申し訳ないのですが、あんなことにお金を使うのは御堂筋のドブに捨てるようなものだ、と言うといくら何でも言い過ぎでしょうか。少し抑えて言いますと、他に使いようがあるでしょう、ということになります。
なんといっても、イチョウの木が

    かわいそう

です。
昨冬の昼間に御堂筋を歩いたとき、イチョウの木に線が絡み付いているのがあまりにも無機的で無残な感じがしました。そして夜になって木も眠ろうとしたらピカピカ、チカチカですから、なんだか哀れだな、と。月の光と街灯とタクシーのヘッドライトがわずかに浮かび上がらせるイチョウのほうがいいんじゃないか。「秋の月山辺さやかに照らせるは落つる紅葉の数を見よとか」(秋の月が山辺を皓々と照らしているのは、散る紅葉の数を見よというのか)と古今和歌集にもあります。いわば、

    陰翳礼賛

ですかね。あくまで私個人の好みの話で、あのキラキラがお好きな方にはほんとうに申し訳ありません。

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御堂筋だけではなく、最近は各地で夜桜も紅葉も照らされていますから、今どきこんなことを言うのは時代遅れなのかもしれません。
ライトアップとは無縁の昔の人も紅葉を愛しました。古今和歌集を見ても紅葉の歌はとても多いのです。「紅葉」と書きましたが、「黄葉」もありますし、常緑樹は色を変えませんから、まさに

    もみじの錦

なのです。
春道列樹という人は古今和歌集には三首採られているのですが、そのうちの一首があの有名な「山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり」なのです。百人一首にも採られたこの歌によって名を残した人と言っても過言ではないでしょう。
紅葉は風にも色をつけてしまいます。「吹く風の色のちくさに見えつるは秋の木の葉の散ればなりけり」(読み人知らず)
古今和歌集に治められた紅葉の歌で、やはりもっとも有名なのは

  ちはやふる神代も聞かず
    龍田川 唐紅に水くくるとは
          (在原業平)

でしょうか。けっして相撲取りの歌ではありません。

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コメント

ライトアップ

ご無沙汰しております。
キャンプや登山で街から外れると、満天の星空に圧倒されます。
御堂筋の電飾やライトアップは、個人的には必要ないと思いますし同様に飲食店のBGMも、うるさいだけです。
トイレの水の流れる音や鳥の鳴き声などはどないやねんと、つっこみたくなります。
逆に、保育園の子供の声がうるさいとか、マンションの上階の子供の走る音に苦情が出るなど、何か違うと思う昨今です。

♪花かばさん

花かばさんとはほぼ同じ感覚です。
私も田舎に行くと夜が更けるのが楽しみです。こちらではとても観ることのできない小さな星の光が見えます。
電飾やライトアップは人気があるのも事実ですからたのしみにしていらっしゃる方も多いと思いますが、一方では好きではないという人がいるのもまた事実ですね。

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