ありがとう『上方芸能』(2) 

雑誌『上方芸能』は、文楽、歌舞伎、上方舞、京舞、能、狂言、宝塚歌劇、OSK日本歌劇団、落語、漫才、講談、浪曲、新喜劇、現代演劇、テレビ、ラジオ、朗読、都市と文化などを広く扱ってさまざまなアングルから分析、提言をされてきました。その根底にあるのは上方芸能を愛する気持ち。それだけにこの大切な文化を守ろうとしない権力者などに対しては牙を剥くことも厭わない骨もあるのです。
この雑誌の功績に対しては

    菊池寛賞

が贈られたこともよく知られています。
しかし出版不況の時代にあって、雑誌を維持して行くことはとても難しいことです。昨日書いたような寄付は貴重なものではあってもそれだけでは維持できないのが現実です。安定的に購入してくれる定期購読者が頼みの綱ですが、それもかなり減ったそうです。結局は発行するたびに赤字になるということで、もはや維持できず、また発行人の

    木津川計さん

も八十歳になられ、潮時と感じられたのかもしれません。
私は二代目の編集長である森西さんとは同世代なので、歴代編集長の中ではもっとも気安く話をしたかもしれません。私が「文楽評」を書くことになったのはあの人の「気安い依頼」によるものでした。ある日、封書が届いて、森西さんからでしたので代金の請求か?」と思って開いたら、あの人に似合わない(笑)やけに丁寧な言葉遣いで「宮辻さんがお辞めになるので、次はあんたや!」という意味のことが書かれていたのでした。すぐにお断りのお返事をしましたが、最終的には当時編集次長だった広瀬依子さんの魔法のようなお言葉にひっかかって(笑)お引き受けしたのでした。

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私はこの雑誌には感謝の言葉しかありません。
まずは購読者の時期にいろいろなことを教わりました。60号すぎくらいから私はこの雑誌に触れているのですが、上方の芸能を

    トータルに見る

ことができるようになったのはこの雑誌のおかげです。それ以前は関心の薄かった芸能ジャンルの舞台に足を運ぶことも増えました。
そしてまさかと思っていたこの雑誌への寄稿を第118号で依頼された時はびっくりしました。「文楽の新作について考察せよ」というお題でした。
さらにその後、「文楽評」を担当し始めて、ひとりの芸能ファンにすぎない私を本格的に文楽の世界に近づけてくださったことも私の人生において大きな意味がありました。この仕事を始めたあとは「『上方芸能』に執筆している」ということで文楽に関わる仕事も増え、ずいぶん恩恵を受けたのでした。
ではそれに対して

    恩返し

ができたのかというとこれはもうまるでダメでした。なんの役にも立たない執筆者で、そのことを申し訳ないと悔やむ気持ちは最後まで続いたのでした。もっと勉強しなければ、もっと舞台を見なければ、と思いながらも十分にできなかったことをただただお詫びしたいのです。
『上方芸能』、ほんとうにありがとうございました。200号までの残る刊行を楽しみにしています。

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