落ち葉なき椎 

短編浄瑠璃の新作『落ち葉なき椎』は、私の書いた「本所七不思議」の四つ目の作品になります。
どれもこれも駄作ですが、作者としてはどれもこれもかわいいのです。
私はこういう短編浄瑠璃をアマチュアの方などが稽古されたらどうか、と思うことがあります。「やはり

    古典でないと」

というご意見が強いことは想像できますし、おそらくそれが正論なのだと思います。
しかし、ピアノには練習曲と言うのがあります。私もバイエルは途中まで弾いたことがあるのですが(笑)、最初から難曲に挑むわけにはいかないですから、練習用の曲も必要かと思うのです。
それはともかく、最新作についてメモしておきます。
登場人物は深川の芸者夕顔、和泉屋清右衛門、深川の芸者米吉の三人が主要人物です。深川の芸者(江戸の南東にあったので辰巳芸者ともいわれます)はきっぷがよくて、名前も男名前を付けることで知られました。「○吉」「△奴」などです。ところがこの話の主人公は

    夕顔

という珍しい名前です。夕顔はまだ若いのに義太夫三味線の名手で声も美しいのです。今日は和泉屋清右衛門が隅田川の川遊びをするというので、いつもなら蔦吉という芸者が出向くのですが、指を怪我したために夕顔が代役をつとめることになりました。

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夕顔は茂吉という恋人と別れてそのあと耳が不自由になるという悲運に見舞われた過去があります。
茂吉は義太夫三味線のライバルで、しばらく上方で修業してくると言って旅立ったまま帰ってこないのです。彼が旅立つとき、夕顔(そのときはまだ芸者ではなかったので「夕顔」ではありませんでしたが)を平戸新田藩の上屋敷の近くに連れ出して「この椎の木の葉が落ちないかぎり、私は

    無事でいる

と思ってくれ」と言い、「三年経ったら帰る」と約束して行ったのです。茂吉は病弱だったため、夕顔は深く案じ、心痛のあまり熱病に冒されて一夜で耳を悪くしてしまいました。ちょうど『朝顔話』の深雪のように。そうです、それで彼女は「夕顔」と呼ばれる芸者になったのです。姉さん芸者の米吉が和泉屋に事情を話すと、和泉屋は「では歌を聴きながら椎の木のそばまで舟を寄せさせよう」といってくれました。
夕顔は和泉屋に求められて

    茂吉を慕う歌

を唄います。その歌声はまことに美しく、和泉屋は感動します。
平戸新田藩上屋敷の近くに舟が寄せられました。幸い、葉が落ちた様子はありません。一同が安心していると突風が吹き、舟も揺れました。夕顔があわてて椎の木を見ると・・・

例によってわかりやすい話です。
本文はまたここに書きます。

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