2015年度源氏物語講座終了 

先週の金曜日、2015年度の公開講座『源氏物語』が終わりました。
「若菜上」の巻を2014年度後期から読み始めて、きっちりこの巻を通読することができました。
「若菜上」は、普通の注釈書では100ページ以上にもなる長い巻ですから、この巻をお読みくださった受講者の皆様はたいしたものだと思います。
私のやり方は、単に話を追うだけではなく、当時の風俗や習慣を探ったり、古語の魅力を解きほぐしたり、後の時代の人が描いた絵を用いて受容の歴史を考えたり、

    さまざまなアングル

から源氏物語にアクセスするものです。
たとえば結婚の儀式はどのようなものだったのか、手紙はどのように書いたのだろうか、社寺への参詣はどのようにしておこなわれたのか、どんなものを食べて、どんな遊びをしたのかなどをお話ししたりしています。また、言葉についても、たとえば「おこなひ(行なひ)」「あきなひ(商ひ)」「うらなひ(占ひ)」「ともなひ(伴なひ)」は何か関係があるのか、などということをお話ししています。みなさんとても興味を持ってくださり、ありがたいです。

「若菜上」巻というのは光源氏三十九歳から四十一歳までのできごとなのですが、
★女三宮の婿選び
★光源氏と女三宮の結婚
★光源氏の四十の賀
★光源氏と朧月夜の再会
★紫の上の苦悩
★明石の君の生き方
★柏木の女三宮への執着
★蹴鞠の日の事件
など、内容が豊富で作者のすばらしい構想力、文章力が味わえます。
あまりにもおもしろい話ですので、受講者の中には「90分の講座があっという間だ」とおっしゃってくださる方があります。私自身、時間が経つのが早く、これだけのものを書いてくれた紫式部の偉大さをしみじみ感じます。

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このあとは「若菜下」を読みたいと思っています。「若菜下」は柏木と女三宮の密通という大事件を中心に、人間の弱さ、たとえば欲望、嫉妬、後悔などを感じ取りたいと思っています。源氏物語の人物は夢物語のような理想的な人たちではないのです。現代の我々と同じ、弱くて傷つきやすくて、あえていうなら

    なさけない人

ばかりです。だからこそおもしろいともいえます。
例えば柏木という男は、父は太政大臣という高貴な家柄に生まれ、彼自身も将来を嘱望されています。ところが、自尊心が強くて自分が女三宮という内親王の夫にふさわしいと思い込み、現実にそれが叶わないとなると彼女の夫となった光源氏の出家を願い、偶然彼女の姿を見ると前後の見境がなくなり、彼女が飼っていた

    

を貰い受けてそれをかわいがって自らを慰めたりします。挙げ句の果てには、彼女の女房を責めて密通の準備をさせ、押し入ってしまうのです。やがてその事実が光源氏の知るところとなり、光源氏ににらまれた柏木は病悩し、ついに命を失ってしまうのです。
あまりに人間的な人たちです。
来年度はそんな「若菜下」巻を読みたいと思っています。さらにお付き合いくださる方が増えることを熱望しています。

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