2015年度信貴山縁起絵巻講座終了 

昨年の5月から16回にわたって一般受講者の皆様方と一緒に読んできた『信貴山縁起絵巻』の講座が昨日無事に終了しました。皆様にはご退屈だったかもしれませんが、私自身はとてもおもしろく、勉強にもなりました。
学生時代から何度も触れている絵巻物ではありますが、ここまで細かく読んだことはありませんでした。仮に『古本説話集』と名付けられた(原本にタイトルがない)説話集や『宇治拾遺物語』に登場する「信濃国の聖のこと」という話をもとに、絵画化されたものです。「縁起絵巻」といわれるものの、「信貴山朝護孫子寺」の縁起を語るのではなく、この山に住んだ

    命蓮(みょうれん)

という僧についてのエピソードを描いた説話絵巻です。
絵を見て話の内容を追って行くだけならあっという間に終わってしまいますが、私のやり方は文学、歴史、美術、風俗、習慣、建築その他さまざまなアングルから読み解きましょう、というものですので、とても時間がかかります。もっとも、私は偉い痔先生ではありませんので、それら全てに精通していて皆様方に高説を垂れる、というたぐいのことはできません。まずは私自身が

    疑問をもつこと

から始めるのです。「これは一体、何なのか?」という素朴な疑問を持って、それをいろいろな文献に照らしながら解決して行くことを基本にしてきました。ですから、受講者の方々にも同じように疑問を持っていただいて、それをおっしゃっていただくのです。私は力不足ですが、わずかでもそれが解決できた時は皆さんとても喜んでくださいます。

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この絵巻物は概ね3つのエピソードから成っています。
まず、命蓮がわずかな米を恵んでもらうために

    飛鉢(ひはつ)の法

を用いて鉢を飛ばしていたのに、ある長者がケチって鉢を放置していたら、鉢が勝手に米蔵を持ち上げて信貴山まで飛んで行く話です。長者が追いかけて返してもらうように交渉すると、命蓮は米だけを返すと言って、例の鉢にひと俵を載せると鳥が連ね飛ぶようにしてすべての米が長者の家に戻るのです。
二つ目の話は、醍醐天皇が病気になったので祈祷してほしいと依頼された命蓮が、信貴山にいながら祈祷をし、

    剣の護法童子

を遣わすという奇跡を起こします。帝は平癒し、命蓮に褒美を与えると言いますが、彼は固辞するのです。
三つ目は、命蓮の姉が信濃から弟の行方を尋ねて出てくる話です。誰に聞いてもわからないのですが、

    東大寺の大仏

に祈願すると夢のお告げで信貴山に行くようにいわれるのです。そしてめでたく姉弟が再会し、ふたりは信貴山で修行したというのです。姉が弟に与えた衲はその後、あの蔵に収められたと伝わるのです。
なかなかおもしろい話でした。
この信貴山縁起絵巻は、今年の春には奈良国立博物館で展示されます。何とか見に行きたいと思っています。

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