国性爺合戦 発端(2) 

そのとき、四方八方から軍馬の音が響き、鉦や太鼓が鳴ります。呉三桂が高楼に登って見ると、韃靼の軍が攻め寄せています。梅勒王が現れて「順治大王が華清夫人を妻に望んでいるというのは嘘で、夫人を捕えて明の跡継ぎを絶やすためだった。李蹈天が左目を刳り抜いて味方することを合図したので押し寄せたのだ」と大声を挙げると呉三桂は逆襲しようとしますが、味方する者がありません。呉三桂の妻の柳歌君が我が子と華清夫人を連れて現れ「大臣公卿は皆、李蹈天の味方です」と告げると、呉三桂は「夫人は私が守る。そなたは子どもを置いて栴檀皇女のお供をして海登(かいどう)の港に落ち延びよ」と命じ、柳歌君は皇女とともに落ちて行きます。
呉三桂が戦う隙に李蹈天と弟の李海方が皇帝を捕え、すがる華清夫人を突き退けて帝に刃を当てます。皇帝は「鄭芝龍や呉三桂の諌めを用いず、お前たちにたぶらかされた。『口に甘き食物は

    腹中に入りて害をなす』

ということを知らなかったわが愚かさよ」と悔やみますが、李蹈天は「目玉が知行となり、皇帝の首が国になるのだ」と言って皇帝の首を落とし、弟に「自分はこの首を韃靼王に差し上げる。お前は華清夫人を捕えよ」といって去ります。
そこに呉三桂が戻りますが、皇帝は殺されているのを見て愕然とします。しかし気をとり直して李海方を倒して華清夫人を救い、皇帝の亡骸にあった即位のしるしの印綬を手にして

    「今は跡継ぎが大事だ」

と、華清夫人を連れて逃げようとします。そのとき、呉三桂の乳飲み子が泣きます。呉三桂はその子を邪魔だとは思ったのですが「お前も我が跡継ぎだ。もし父が討ち死にしたら成人して若君の忠臣になれ」と鉾の枝に括り付けて落ちて行きました。

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呉三桂は海登の港に着きました。敵の銃弾が降り注ぎ、それが華清夫人に命中して夫人は息絶えます。呉三桂は夫人の腹を割いて子を取りあげると男の子でした。その子を連れて逃げようとしますが、もし敵がこの亡骸を見つけたら子どもがいないと隠したと思われる」と思案し、

    我が子を殺して

着ているものを若君に着せ、我が子を華清夫人の腹の中に入れて泣きながら立ち去ります。
そうとも知らず、柳歌君が栴檀皇女とともに現れますが、敵の銃弾を避けるため葦の蔭に身をひそめています。
そこに李蹈天の侍大将の安大人が現れ、華清夫人と子どもの亡骸を見つけます。この上は栴檀皇女と柳歌君を探せと家来に命ずると、家来の剛韃が(がうだつ)が舟に乗って葦のあたりを探し、栴檀皇女らに迫ります。そのとき、隠れていた柳歌君がその櫂をつかんで跳ね返すと剛韃は海に落ち、浮かんでくる所を柳歌君は力任せに櫂で殴りつけて海に沈めます。
柳歌君は舟に皇女を乗せて自分も乗ろうとしますが、剛韃が浮かんできて、一味とともにさらに戦いを挑みます。皇女を舟底に隠して柳歌君は応戦し、

    深傷を負いながら

剛韃を倒します。しかしこの傷ではもはや皇女のお供はできないと覚悟し、船べりを押して沖に流します。龍神が受けてくれたのか、舟はどんどん置きに出て行きます。柳歌君は夫や子の行方を探そうと剣にすがって、乱れた髪を掻き上げて、あたりを睨んで立ち上がるのでした。

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