国性爺合戦 第四(1) 

『国性爺合戦』は通常三段目まで上演されます。となると、日本に残された栴檀皇女と小睦(こむつ)はどうなるのか、五常軍甘輝はどのように活躍するのか、呉三桂はその後どうなったのか、そして戦の結末はいかに、などはわからないままです。私は特に小睦が気になってしかたがないのです。そこで四段目のあらすじを書いておきます。

日本に残された栴檀皇女と小睦は近所の人の好奇の目に晒されながら一緒に暮らしています。小睦は夫が今や国性爺と名を改めて大将軍になったとは聞いているのですが、自分も武勇の心を抱いています。彼女は若衆姿になって松浦の住吉に日参し、願が叶うように祈請したあと、

    剣術の稽古

をしています。その腕前は「今牛若」とでもいえそうな見事なものです。そこに栴檀皇女がやってきて剣の腕前を称えると、小睦は「迎えの舟を待たずお供して唐土に渡ろうと吉凶を占いましたところ、この木刀で松の木が切れました。これは神様がお受けくださったしるしで、商船の便もあります」といいます。栴檀皇女が喜ぶと、小睦は「この住吉というのは船路の守り神です。昔、

    白楽天

という人が日本人の知恵を調べようとして日本に来て目前の景色を「青苔衣を帯びて巌の肩にかかり白雲帯に似て山の腰を廻る」と詠んだところ、住吉の神が釣りの翁となって現れ『苔衣着たる巌はさもなくて衣着ぬ山の帯をするかな』と答え、それを聴いた白楽天は言葉に詰まって国に帰ったと言います。さあ、行きましょう」と二人は連れ立って行きます。

にほんブログ村 演劇ブログへ
 ↑応援よろしく!

kgaeonrjuiをフォローしましょう


《栴檀女道行》
唐子髷に薩摩櫛を、島田髷に唐櫛を挿したふたりは馴れぬ旅に出て、唐土に渡る舟を求めます。磯辺では海人の子どもたちが遊んでいます。ふと見やると、波に揺られている釣舟に、髪をびんづら(角髪、総角)に結った

    童子

がいます。小睦は「私たちは唐土に渡るのです。しかるべきところまで乗せてくれませんか」と頼みます。童子は「簡単なことです。唐土の人と九州の人のおふたりが唐土へ行くとは、恋しい人があるのでしょう。『二千里の外故人の心、三五夜中新月の色』(十五夜の下で、はるか彼方にいる昔懐かしい人のことを思う。『白氏文集』の「八月十五夜禁中に独り直し月に対ひて元九を憶ふ」の一節)ではありませんが、さあお乗りください」と言って乗せてくれます。「不思議の縁」だと思って二人は舟に乗ります。
穏やかな海を行くうちに、栴檀皇女は「続いて見える島のことを故郷の人に話したいので教えてほしい」と頼みます。童子は「まずは鬼界十二の島。白石、硫黄、千ど、二神」などと示してくれます。そのうちにあっという間に舟は進み、

    松江(ずんがう)の港

に着きました。
栴檀皇女は童子に向かって「あなたはどういう人なのか」と問います。「私は住吉の大かい童子と申す者。では帰朝をお待ちします」といって童子は去って行ったのでした。

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tohjurou.blog55.fc2.com/tb.php/3764-ffb9db1c