七福神(1) おたふくと布袋 

文楽の演目に『七福神宝入舩』があります。お正月の演し物といってよいのですが、宝船に乗った七福神がそれぞれ技芸を披露するものです。
おもしろいと思われるかどうかは人さまざまですが、罪のない

    ご祝儀曲

として時には上演されてもよいのではないかと思います。
この初春公演ではこの『七福神宝入舩』のみならず、定番の『寿式三番叟』『花競四季寿』などの上演がありませんでした。これもまたよいかもしれません。何も無理に毎年上演することはないので、時々見せていただければけっこうかと思います。
ところで、私はすでに書きましたように、正月は家を離れておりました。私が滞在した広島県大竹市では、石に絵を描いたもので町を飾ろう、とでもいうのか、

    「ストーンアート」

なるものが道々に置かれています。特に学校のあたりなど、子どもたちが描いたものがありました。
そして「七福神」を岩に描いたものも神社などに散在しており、ひとつこの正月はそれらを全て廻ってみようかなと思ったのでした。
ただ、私が見た限り、市民の方々はほとんど相手にしていない感じがしたのです。企画倒れだったのかもしれません(笑)。せめてよそ者の私だけでも、興味を持ってあげないと気の毒ですらあり、神様に同情するのもいかがなものかと思いますが、二日かけて廻ったのでした。
以下、一か月遅れの正月レポートです。

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七福神は寿老人、福禄寿、弁財天、毘沙門天、大黒天、恵比寿、布袋ということになっています。
ところが、私が廻った七福神は「八福神」だったのです。

    「おたふく」

が加わっており、これは京都清水寺の八福神と同じです。八福神はほかにも七福神+達磨あるいは吉祥天というものもあるようです。
文楽でも『釣女』の「醜女」のほか、『妹背山婦女庭訓』の豆腐買や腰元、『生写朝顔話』『冥途の飛脚』『曽根崎心中』などの下女として活躍しますが、その性根はやはり愛嬌でしょうね。

大竹市 お多福(疫神社)
↑おたふく(疫神社)

さて、七福神の中で、唯一実在の人物とされるのが

    布袋

です。9世紀から10世紀にかけて、ということはおおむね唐代末に生きた中国の禅僧で、見事と言えそうな太鼓腹の持ち主。名は契此といったそうで、袋を持って街中を歩き、占いなどをしたのだとか。弥勒菩薩の化身とも言われるそうです。
袋というと大黒天も持っていますから、「空に袋ぞ二つ見えけり 大黒と布袋は鳶につままれて」(『犬筑波』)などといわれたりもします。
私が廻った七福神の「ストーンアート」のほとんどは神社に置かれていたのですが、なぜかこの布袋だけは「魚池(うおいけ)」という割烹料理店と思われる店の前にありました。天衣無縫というか、ものごとにこだわらない感じの大あくびをする布袋でした。

大竹市 布袋2
↑布袋(『魚池』前)

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