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漢字ばかり 

小学校時代から国語という科目は好きでした。言葉の意味を知ったり、漢字を勉強したりするのは数字を学ぶよりずっと性に合ったのです。高校に入ると待ちに待った古文という科目がありました。現代文よりはるかにおもしろく、成績は伴いませんでしたが(笑)、好きという意味では誰にも負けなかったと思います。
今の高校生はそうとは限らないのでしょうが、国語は「現代文」「古文」「漢文」がすべて必修でした。その中で、得意とはいえなかったのが

    漢文

でした。周りの友だちはたいてい「虎の巻」(いわゆる「あんちょこ=安直」)というのを持っていて、これには訓読から意味まで全部載っているのです。私はそういうものを買う余裕もなかったので、授業はついて行くのに必死、テストの時は自分でメモしたノートを使って勉強するしかありませんでした。余裕もなかったのですが、そういうものを使うのが何となく

    後ろめたい

という気もしていました。ところが、先輩が卒業するとき、もういらないからといって、いろいろ本を置いて行ってくれた中に漢文の「あんちょこ」があったのです。誰もほしがらない(みんな持っているから)ので、私は後ろめたさを持ちながらそれをもらいました。そして授業はもちろん、試験の時にそれを使って訓読や意味をひたすら暗記するようにしたら(あたりまえかもしれませんが)飛躍的に点数が上がり、自分でもびっくり。それ以後は虎の巻信者になりました(笑)。それで自信もできたのか、受験勉強も順調に進み、入試で漢文の点を落としたという意識はありません。

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そうして「漢文は得意かも知れない」と思いながら大学に入ったのです。はじめて受けた専門課程の授業に江戸時代の漢文を授業で使うものがあり、私はいきなり先生に「そこの君、読んでみなさい」と当てられてしまって、諸先輩の居並ぶ中で読まされたのです。たまたまわかりやすい文章で、あるていど読めたので、その先生に「君、見た事ないけど、

    東洋史の人?」

と尋ねられました。「いえ、今度専門課程に上がる国文専攻です」と答えると「そう、よく読めたね」とほめてもらいました。ところが、いざ専門課程に上がると先輩たちがすらすらと読むのはもちろんのこと、同級生にももっと読める人がざらにいたのです。あの先生が褒めてくれたのは「まだ専門に上がっていないわりにはよく読めたね」ということだったのに、それに気づかなかった私は井の中の蛙、自慢の鼻をへし折られたような感じがしたのでした。
それ以後はむしろ漢文はあまりできないことを実感することがしばしばで、これまでは「あんちょこ」の恩恵で安直に理解していただけだったのだと思い知りました。ところが、国文学に漢文は不可欠。しかも私は平安時代の男性日記などを勉強することになって、これは変体ではありますが、漢文ばかり。史料もたいてい漢文ですから

    四苦八苦

することになりました。この春休みに勉強しようと思っていることも、当然ながら漢文史料が多く、注釈書などないものばかりです。高校時代にもっと地道に勉強しておくべきだったのかと思いながら、また頭を抱えているところです。

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