やなぎだくにお 

学生時代柳田国男や折口信夫を読まないようでは話にならない、という雰囲気がありました。2年生の時に哲学専攻の学生が何かの話のついでに「先生から『なんだ、君は柳田を読んでいないのか』といわれた」と言っていました。私もそれまであまり読んでいませんでしたので「国文科ならもっと読まないとまずいだろうな」と考え、折しも平安時代の歌人の和泉式部に関心を持ち始めていたものですから、彼女を主題とした

    『女性と民間伝承』

をしっかり読もうと決意して読み始めました。それがきっかけになって、あの当時は文庫本でいくらでも揃えることができたという手軽さもあって『遠野物語』『海上の道』『日本の昔話』『山の人生』『蝸牛考』『桃太郎の誕生』などを読んでいきました。
兄の井上通泰や弟の松岡静雄、松岡映丘(日本画)にも興味を持ち始めて、兵庫県の福崎にある柳田と彼の実家の松岡家の記念館に行く機会もあり、一気に彼の存在は身近になりました。
竹取物語にも興味があった上、学生時代の恩師のお一人が説話文学の研究者でしたので、授業のためにも

    『昔話と文学』

も読みました。この本は竹取物語以外にも、『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』にも出てくる「わらしべ長者」、その他「かちかち山」「花咲爺」などについての考察があるのです。
「わらしべ長者」は長谷の観音の利生譚ですが、時々授業で観音信仰の話をすることがあるので例に挙げるのにもってこいです。たいていの学生はあらすじくらいは知っていますから。

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どちらかというと折口信夫の方に興味がありました。やはり国文学の色合いが強く、また折口は歌人(釈迢空)でもありましたから、当時毎日のように短歌を詠んでいた私には親しみは一入だったのです。折口の著作の中には文楽について

    考えるヒント

になるものもありました。『上方芸能』の「文楽評」を書き始めた頃は頼りにしていたのです。
ついこのあいだ、竹取物語のことを考えていて、図書館にいたのです。どうしても柳田国男の『昔話と文学』を参照したくなることがあって、その図書館にあるかどうか検索しようと思いました。そこはタッチパネル式で、ひらかなで検索する言葉を入れます。「むかしばなしとぶんがく」でも「やなぎだくにお」でもよかったのですが、字数の少ない方にしようと思って「やなぎだくにお」にしました。するとトップに出てくるのはノンフィクションの

    柳田邦男さん

でした。しばらくこのかたの著作が続いて、やっと「柳田国男」になり、無事に『昔話と文学』も探し当てることができました。
柳田邦男さんは私が子供の頃に航空機事故などの取材をNHK記者としてなさっていましたからずいぶん長いキャリアですね。
検索に出てくる順番は刊行順でしたので、どうしても新しい人が先になりがちなのですが、それにしても「やなぎだくにお」といえばやはり「柳田国男」だった時代はもう古いのでしょうか。

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