工作の時間 

何度かこのブログに書いてきましたが、小学校時代、私は「図画工作」ほど苦手なものはありませんでした。幼稚園児並みのものしか描けない、作れない無能さには我ながらあきれるほどでした。不器用な私の「作品」を教師に笑いものにされたこともありました。
はさみをうまく使えない、真っ直ぐに線が引けない、造型するための観念が持てない、その他、とにかく無から有を生ぜしめる能力に欠けていたことは認めざるを得ません。高校に入って芸術科目(音楽、美術、書道)の選択をするのにまず美術を除外したほどです。
そんな私が、今となっては

    「趣味は美術です」

というのはなんとも奇妙ですが、音楽と無縁になってからはほんとうに美術に親しみを覚えるようになりました。もっとも、学生時代から絵巻物の魅力には不思議に取り憑かれていたのです。そして、この2年間、公開講座で「伴大納言絵巻」「信貴山縁起絵巻」を読み続け、今年は「粉河寺縁起絵巻」「吉備大臣入唐絵巻」「源氏物語絵巻」を制覇しようと思っています。
昨日書きましたように、「粉河寺縁起絵巻」は兵火に遭ったらしく、焼損しているのですが、

    裏打ち

して補修されているため、一応巻物の形態は持っています。では補修される前はどんな状態だったのか、それも気になります。そこで、あえて無残な姿を「復元」してみることにしました。

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まずコピーを取って、裏打ちの紙をはがすように切っていくのです。工作の苦手な私にはかなりめんどうな作業です。林家正楽師匠の技が欲しいです。
巻物が焼けると、波打つような独特の形で破損します。巻頭、つまり巻いた状態で一番表に出ている部分は当然もっとも激しく焼け、軸に近づくに連れて焼け方が少なくなります。この絵巻の巻頭部分はおそらく完全に焼けてしまったと思われます。そしてしばらくの間は

    断片

が残されているだけで、これらはうまくつながりません。今は修復されていますが、必ずしもその断片が順番どおりに並べられているかどうかわかりません。これを話の内容や断片の形態などから正しく並べ直すことも重要で、実際そういう研究をされている方もあります。
こうして不器用な私が「工作」をして「復元」したものは公開講座で皆さんにごらんいただくのが第一の目的ですが、「文化と歴史」の授業で

    学生にも

見せようと思っています(勝手にコピーしていますので、授業と研究以外の目的には使いません)。これは大事なものだからと守り続けてきたものが兵火によってこんな無残な姿になってしまうのです、という話をするために。そして兵火だけでなく、時には自然災害に遭うこともあり、また見識のない権力者(あるいは権力者の威を借る狐たち)などの横暴で損ぜられることもあるのだということを伝えたいと思っています。

粉河寺縁起絵巻 焼けた形
↑粉河寺縁起絵巻 焼け焦げた状態を復元したもの

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コメント

林家正楽師匠

そういえば昨夜某所で、正楽師匠の紙切りを拝見しました。客席からのリクエスト「くまもん」「薬罐舐め(落語の演目)」などに、いつもながら見事な腕前で応えてました。
「先日お客様に、何を切りましょう? と聞きますと、とりあえずビール!と言ったかたがいました」
「ゆうべ後ろの客席からお客様がやってきて、お煎餅の袋が破れないから切って、と言われました」
と、いつものクスグリも(笑)
わたし、飄々とした正楽師匠が大好きです。

♪やたけたの熊さん

私にとって正楽といえば先代になってしまうのですが、やはり噺家筋ですから当代もなかなか面白い方ですね。
昼はお仕事、夜は演芸ホール。充実した生活ですね。

やっぱり・・・

先代・正楽師匠だったんですね(笑)

今年はじめての浅草演芸ホールでした。
平日夜は3割も入れば良い方なのですが、
昨夜は6〜7割方入ってました。
なにかの無料招待券もったひとが多かったみたいです。無料招待券、うらやましいなぁ・・・

♪やたけたの熊さん

無料招待券~~~!!!

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