ひらがなを書く 

漢字は「真名」とも言いました。正式の文字、ということです。それに対して私的な場で用いる仮の文字として「仮名」ができました。万葉仮名は事実上漢字で、それを日本語表記に借用したもの。「山」を「也麻」と書く類です。万葉仮名は多様で、読むのもかえって難しかったりします。有名なのは「山上復有山」で、これは漢字の「出」を意味するのです。山の上にもう一つ山があるわけで、「山」という字を二つ重ねると「出」という字になる、こんな判じ物のようなものもあったのです。
やがて

    女手

いわれるような流麗な文字があらわれ、和歌を書くときなどにはとても便利なものでした。漢字はこれに対して「男手」とも言いました。というと、「女手」は女性が書く文字かと言うとそうでもないのです。源氏物語で「女手」と言うと男性が書いた平仮名の例ばかりです。「片仮名」は「不完全(片)な仮名」、「平仮名」はそれにたいして「ふつう(平)の仮名」ということです。
もともとは平仮名もさまざまな書き方がありましたが、今は統一されています。
私、実は

    左利き

です。子供の頃、「字は右手で書きなさい」と無理に「矯正」されました。当然まともな字が書けるわけがありません。いつも「下手な字」の代表のように扱われてきました。高校の書道の時間には(生意気な・・笑)同級生が「手本にしろ」とばかりに自分の書いたものを「せめてこれくらいは書けよ!」と言いながら投げつけてきたことがあったくらいです。悔しかったですが、実際下手なのでどうしようもありませんでした。

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大学生の時「仮にも将来高校あたりの国語教員になろうと思っているのだから、下手では済まされないのではないか」と思い始めました。そこで一念発起して、自分の字を解体して幼稚園児のつもりで平仮名から根本的に直そうと決心し、文字通り「いろは」から練習したのです。なにしろ元は左利きで右手は作られた利き腕ですから、逆に人工的に

    矯正

できるだろうとも思ったのです。
その時考えたのは、平仮名はもともと漢字だ、ということでした。漢字を書くつもりで書けばいいのではないか、と思って「あ」は「安」をイメージしながら練習、「い」は「以」、「う」は「宇」、「え」は「衣」、「お」は「於」を頭に置いて書きました。幸いだったのが

    筆ペン

の流通です。筆より扱いやすく、墨を摩る手間もいらないのでいつでも練習できるというメリットがありました。私は無能な人間ですが、これをやると決意したら頑固に続けるところがあります。劇的にというわけにはいきませんが、少しずつ見られる文字になっていったらしく、褒められはしませんが、悪筆と難じられることが減ってきました。悔しかった高校生のときを思うと、せめてもの自慢話です。今もなお筆ペンは座右にいくつも置いて折に触れて使っていますが、平仮名の稽古にもとても役立ちます。
学生から「字が下手で困っている」と相談されることが少なくありません。そんなとき、悪筆の私にできるのは自分の体験談を語ることくらいです。

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コメント

水茎の後にも先にも、麗しいかと存じます。

悪筆時代の、センセの筆跡を拝見したいものです。

我が家ではセンセからのお便りを見つけると。
私のお習字の先生・え●く●先生より、センセの字のほうがアジが有る。
と、3人ほどの個人的見解人が聞こえます。
そのうちの2人は、ぐうの音も出ないほど麗しい字を書きます。なので、自分が褒められたかのように、エッヘンと鼻が高いのであります。

いつだったか、密かにセンセからの郵便のあて名書きを左に置いて手習いしている人が居りまして。
その姿を、笑いを堪えて覗いている娘が居りました。つられて私も、へぇ・・?と覗こうとすると。。。

いや~!!そんな高度なとこから練習しても書けるわけないヤン、あほやわぁ、と、ある人が爆笑していました。

当たり前に字が美しい人って残酷でしょ?パパ。物心ついたときから、その2人に(母と姉)ボロクソに字をけなされていた私だけは、心中お察し出来ましてよ、頑張ってね。

なんなら、蘭亭の序という見るのも嫌な、お手本プレゼントするワ。(未だに蘭亭という文字を見るだけで、頭痛がする)

  • [2016/05/06 21:28]
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♪押し得子さん

達筆のご母堂様とご令姉様に字を見られるのは冷や汗です。
●の●ら先生には「筆がまずダメ。字は話にならん」と相手にしていただけませんでした。
そうそう、今、大阪市立美術館で蘭亭序や空海の風信帖などが展示されています。

●の位置が・・。

いつもご返信、ありがとうございm・・、あら?センセ? 
●の箇所が・・・。・・・これヤから、堪りませんワ。

大御所・大先生の、書に対する評と表現の自由は、憲法も沈黙するでしょう。

高校の選択教科・音楽に漏れて、振り分けられた書道の授業。(それって、選択科目といえるのでしょうか?)これが苦痛でして。

一年間、毎回。蘭亭の序と、小筆で氏名を書くことのみ・・もう退屈で・・。王義之を敬うどころか嫌いになりそうです。と、かの大先生に、ぼやいた私に、こそっと。

そら、そんな授業はナイで。手抜きもエエとこや。わたしもソナイ、あの字が好きやナイねん、内緒やで。と仰っていました。

その点、お大師様は庶民に優しい、と日本中に伝説在りの方なので。
お手本に選んで、字が上手くなりますようにと願ったのですが。

努力せずにお願いするだけでは、偉大なる空海様はお聞き届けくださいませんでした。(そりゃ、そうだろう)蘭亭の序より、苦戦しました。

  • [2016/05/08 14:30]
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押し得子さん

私、あの先生(お名前は隠しておきますが)の専門分野の「仮名」をならったのです。テキストは先生の作りになったもの。あの当時の大学は今と違って半期に15回授業しなければならないなんてことはありませんでしたから、休講=1回授業が減る、ということで、どれほどうれしかったかわかりません。
授業の時は針のむしろでした。
あの先生が蘭亭序ですか。さすがになんでもおできになるんですね。

センセの休講は、ひそっと心配の種でした。

上手い字・お手本にすべき筆跡と、美しいと思う筆跡は違って当然だ。と仰っていました。

そんな大先生と、たまたま。
好みの書家が同じだったので、愚痴を聞いて頂けたのでしょう。

が、やはり、書に対しては厳しいお言葉に手加減が無く。
アンタ(書体を美しさで見る)ええセンス持ってるのに、なんで字はさっぱりナンヤ?
そんな授業を、マジメにやってるからや。好きなように書いたらエエネン。模倣だけしとっても、エエ字は書かれへんで。

と、助言して下さったのですが。
でもねぇ・・。選択教科で点数を稼いでおかないと、内申書が・・。

退屈な授業でセッセと点を稼いで、やっと進学できたのです。そのお陰さまで、今も、センセとお付き合いして頂いているのです。

大先生のご助言を聞き流して正解だったと、わたしは今でも思っております。大先生は空海様の筆跡も、クセが強い。手本にしても上達せぇへんでと、仰ってました。

(結局、大先生のお手本が一番です、ハイ。確かに美しいです、間違いないです。これっぽっちも真似できませんでしたが)

  • [2016/05/10 14:58]
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♪押し得子さん

あの先生に見込まれるとは、さすがですね。見込まれた押し得子さんと見放された私。人生を象徴しているようです。
大先生は実は私の父親と同年。ますますお元気でご活躍いただきたいです。

女に生まれて良かった♪

@あの先生に見込まれる・・

???センセ?先の遣り取りから、何を読みとられたのでしょうか?

はっきり申し上げます。
かの大先生は私のことを、手習いしに来るレベルでもない子供としか、認識して居られませんでしたヨ。

更に、ここが、肝心です。

女性というものは子供の頃から。
どんな偏屈者の芸術家であろうとも、男性に比べて、極めて取り扱いが優しいのであります。

わたくしの人格や書道の腕前なんて。これっぽッチも期待も、ご興味も無かったでしょう。

なんとなく世間話で通じている孫。
終始、そんな感じでした。
(世間話なのに。気がつけば、叱られていて。落ち込むことばかりなので、逃げ回ってました)

なので、マトモに書道の指導なんて頂戴したこと、なかったなぁ。
たまぁに、朱字で筆の入り方をケチョンケチョンに貶されながら、修正して頂いたのですが。

悔しい事に、その朱色の筆跡が腹立つぐらい麗しくて。。。当たり前か・・・。

  • [2016/05/11 17:39]
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♪押し得子さん

いやいや、見込まれてると思いますよ。
その証拠に、私も押し得子さんを見込んでいますから(笑)。

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