紙芝居の実演(1) 

学生のころ、美術が分からない私は、浮世絵も屏風絵も襖絵も、そのよさがわからず、勉強のためにという意識でしか観ていませんでした。ところが当時から絵巻物だけは特別の思いがあって、源氏物語絵巻や伴大納言絵巻、信貴山縁起絵巻、その他あれこれに強い関心を持っていました。
「日本絵巻大成」という豪華本シリーズ(中央公論社)があったのですが、私のような貧しい学生の手には入りません。なんとか伴大納言絵巻だけでも安く買えないものかと、古書店などを探した事もありました。ところがそのうちに「絵巻大成」の廉価版というべき

    「日本の絵巻」

というシリーズが同じ出版社から刊行されました。解説は簡単になっていて、「絵巻大成」がほぼ180度本を開く事ができる造本になっているのに対してこちらは普通の本のようにページを開くと真ん中が山になって、残念ながらうまく見えません。それでもないよりはまし、ということでやっとの思いで買いました。今もかなりくたびれましたが使っています。その後「日本の絵巻 コンパクト版」というのが出て、これは文字どおり小さくて安っぽいのですが、ほぼ180度開くのはありがたいです。東京に行った時に「伴大納言」「源氏」などが展示されて言えば立ち寄り、ボストン美術館にある

    「吉備大臣入唐絵巻」

がやってきたというと観に行き、その他の美術展でもさまざまな絵巻に触れてきました。なぜこんなにも心が動くのか、不思議なくらいです。

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「源氏物語絵巻」の「東屋」という場面に、女性(浮舟と呼ばれる人)が絵本のようなものを見て、別の女性(女房)が文字ばかり書かれているらしい本を読んでいる絵があります。おそらく、女房が読んでいる本の部分に該当する絵が描かれているものを浮舟は見ているのでしょう。今で言うなら絵本と紙芝居の間のようなものでしょうか。
絵の本と文字が混成されて巻物にしたのが絵巻物といえるかもしれません。そして、絵本でも絵巻物でも「自分の手元に置いて眺めるもの」という意味ではやはり「本」だといえるでしょうか。
「紙芝居」は、絵巻物を断片化して、次々にめくってみせていき、文字は絵の裏側に書いておくものですが、自分の手元で観ることは困難です。むしろ数人から数十人規模で一緒に観て、感動を分かち合うもの、その意味ではまさに

    芝居

です。
「覗きからくり」はその意味では紙芝居に近いと思います。子どもの頃、どこで見せてもらったのか分かりませんが、一度だけ覗きからくりを見たことがあります。内容は何も覚えていないのですが、不思議な魅力がありました。
覗きからくりはそれきりでしたが、幼稚園や学校(小学校低学年のみでしょうか)で見せてもらえた紙芝居はやはり大好きで、先生が読んでくれるのをとても楽しみにしていました。しかしこれにはうまい人とそうでもない人がいて、

    味も素っ気もない

読み方をされると幻滅しました。やはり教員の中にもこういうこと苦手な人はいるのです。
さて、そんな幼少期の思い出を持つ私が、この期におよんで(笑)まさか紙芝居を人前で読むことになるなど、思いも寄らぬことでした。

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