紙芝居の実演(3) 

都丸つや子さん脚本の「ニャーオン」(童心社)は、都丸さんの文章ばかりか、渡辺享子さんの絵もすばらしく、演じ手にとっては難しいですがやりがいのある作品だと思うのです。
今、「脚本」と書きましたが、紙芝居本体にも「都丸つや子 作」とは記されていないのです。やはり芝居なのです。
ニャーオンは月を追いかけても追いつかず、木に登って月を取ろうとしたものの木が邪魔になって月の姿が見えません。ところが、下を見ると水たまりに映っていました。そこでニャーオンは思いきってその水たまりに飛び込みます。こんなところは紙を抜く

    スピードを上げ

なければなりません。
また、ニャーオンが歩いて去っていく場面がありますが、そういうところは紙を小刻みに上下させて抜いていき、いかにも歩いているように見せる工夫をすることがあります。このほかにもいろいろしどころがあって、それをおぼえるだけでも大変です。その上に紙芝居上演者はセリフまで言わねばなりません。文楽の太夫さんのように、

    声色は必要ない

のですが、やはりそれらしく語らねばなりません。文楽に馴染んでいてよかったと思います。
このように、紙芝居というのはなかなか奥の深いものです。
「ニャーオン」は2、3歳児向けですから私のダミ声よりは学生のみずみずしくかわいい声のほうがきっと魅力的だと思います。演ずる時の顔も彼女たちの笑顔はきっと子どもに愛されるでしょう。

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もうひとつの作品は「かさじぞう」です。おなじみの昔話です。お地蔵様に笠をかぶせてあげたおじいさんのところにお地蔵様がお礼に来るお話しです。私が借りてきたのは松谷みよ子さんの脚本です。
この話の中には歌のような語りをするところが出てきます。ひとつは正月を前におじいさんとおばあさんが「あぶらのような酒のんで、雪より白いまま食うて、割木のようなとと添えて」などと歌うところです。実際はおじいさんが歌っているのかもしれず、これは

    私にはぴったり!

もう一か所はお地蔵様が思い荷物を牽いてやってくるところで、「じょいやさ、じょいやさ、シャーン、シャン 地蔵に笠こ かぶせてくれた じいの家はどこだ」と歌うところ、あるいは歌というよりは掛け声のような感じもします。こういうところの読み方は難しいですが、やりがいもあります。
そして

    クライマックス

は地蔵が置いていったものが大きな音を立てるところです。深夜に家の前で大きな音がするのですから、おじいさんとおばあさんは驚くはずです。ところが一転、それがお地蔵様の志だとわかって、二人は幸せな気持ちになります。絵も、地蔵の姿は最後まで描かれません。なかなかスリルがあるのです。
絵はまつやまふみおさん。味のあるいい絵を描かれます。
これを週末にしっかり稽古して、火曜日に実演しました。そして学生にも実際に体験してもらったのでした。

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