ごんべえさんともものひめ(1) 

奈良市内の幼稚園で実施してきた文楽人形劇も6年になりました。今年は最後の稽古の日が警報で中止になるというアクシデントもありましたが、なんとか上演にこぎつけました。
例によって、台本をここに掲載しておきます。私が最初に提示した台本は以下の通りですが、実際に上演したものは多少の改変があります。文中の「○○」には実際には幼稚園の名前が入りますがここでは略しました。出演者のみなさんにお配りしたものには演出メモも書いてあるのですが、それも略してあります。人形の出入りなどは、ごく簡単に書いている部分があります。
(ご)はごんべえ、(モ)はモグリン、(桃)はもものひめです。何も指示のない部分はナレーターの語りです。


 ○○村のごんべえさんは、仲良しのもぐらのモグリンと一緒に近くの川に魚釣り(さかなつり)にやってきました。自分で作った釣り竿に糸を垂らして、ポーンとなげこむと、糸は川の水といっしょにゆらゆらゆっくり流れます。この川は、昔はとてもきれいだったのですが、このごろ、ゴミを捨てる人が多くて、ずいぶん汚れてきました。

(ご)おっと、きたぞ、きたぞ。それっ! あ〜あ。
(モ)ごんべえさん、この川、もっときれいにならないんですか。この河原もお花を植えて公園にしたら、子どもたちも遊べるんじゃないでしょうか。
(ご)そうなんじゃよ。わしもそう思って村の人たちに話したんじゃが、きれいにするにはたくさんお金がかかるそうな。お? 今度は釣れたかな。おっと、てごわいぞ、おっとっとっとっと、負けないぞ、おっとっとっとっと、こりゃなかなか、大物だぞ。
(モ)ごんべえさん、しっかり。

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(ご)おっと、おっとっとっとっと。よいしょ、よいしょ、よいしょっと! あ、あ、あ、あばれるな、あばれるな、あばれるな。あばれてはいかん、じっとしなさい。動いてはいかん。おとなしくしなさい。あっ、ああ。逃げてしもうた。どうもわしは魚釣りがへたなようじゃな。おや、あれはなんじゃ。

 ごんべえさんが川上のほうを見ると大きな桃がどんぶらこ、どんぶりこ、と流れてきました。どんぶらこ、どんぶりこ(次のモグリンのセリフにかさねて、「どんぶらこ、どんぶりこ」を繰り返す)。

(モ)ごんべえさん、あれなら簡単に取れますよ。それにしても、大きな桃ですね。
(ご)うん、これはな。ただの桃じゃないぞ。きっと桃太郎の桃だ。
(モ)桃太郎?
(ご)そうだとも。あの桃の中にはな、元気な男の子が入っていて、大きくなったら悪い鬼をやっつけて宝物を持って帰ってくるんじゃ。そうすればわしもお金持ちになれるぞ。それ、こっちへこい、こっちへこい。よいしょっと。はっはっは、取れたぞ、取れたぞ。モグリン、家に帰って切ってみよう。桃太郎が生まれるぞ。よいとせ、よいとせ。
  (上手に退場。すぐに上手から再登場)

 大きな桃をかかえたごんべえさんは、モグリンと一緒に家に帰って行きました。(ごんべえの声で「よいとせ、よいとせ」が重なる)家に着いたごんべえさんは、(ごんべえの声で桃を置く「どっこいしょ」が重なる)台所から包丁を持ってきて桃を切ることにしました。

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