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江戸弁 

共通語=東京弁と思い込んでいる学生はとても多いです。でも、共通語で「しでえ野郎だね」「あたしゃ、そうは思いたかないね」とは言わないでしょう。今でも東京の、何代も続いた江戸っ子たちはきれいな東京弁を使っているはずです(と信じています)。そういう生粋の江戸っ子はなくなってほしくありません。
大阪の人で「ええお天気だんな」「よろしおまっせ」という人は減ってきているようです。文楽の若い太夫さん、日常的に

    きれいな大阪弁

を使ってください。それが地元っ子(たとえば大阪っ子、京都っ子、神戸っ子)の矜持ではないですか。私のようにどこの子か分からないような言葉遣いしかできないのはかっこわるいです。

さすがに私もナマの舞台は存じませんが、昔、ワカナ、一郎という漫才コンビがありました。ミス・ワカナ、玉松一郎。わらわし隊として戦争の慰問にも行ったとか。私はこのコンビの漫才を何本かラジオで聴いたことがあります。ワカナさんは見るからにかわいい、美貌の漫才師.一郎さんはどこか抜けたような風貌。このでこぼこコンビは、しかし絶大な人気を誇ったようです。
ワカナさんで驚いたのは、よく通る声のすばらしさ。中でもそのいいお声で

    全国の方言

を駆使してしゃべる漫才は圧巻でした。実際その方言が正しいものなのかどうかは私には分からなかったのですが、いかにもそれらしくおっしゃっていました。この「らしく」というのは大事なことで、まさに「芸」だろうと思います。実際、これがとてもお客さんに受けていたのです。ヒロポンなどの乱用などもからだを痛めたらしく、ワカナさんは30代半ばで(阪急西宮北口駅で倒れたとか)亡くなりましたが、惜しい方だったと思います。ちなみに、二代目ミス・ワカナは後のミヤコ蝶々さん、四代目は吉本新喜劇で活躍された河村節子さんだそうです。

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私は野澤松也師匠にいくつかの創作浄瑠璃を献呈致しました。師匠はそれを作曲してあちらこちらで語ってくださっています。この浄瑠璃は、しかしながら純粋の義太夫節とはいささか異なります。テーマが

    「本所七不思議」

で舞台は江戸、しかも庶民が主人公なので上方のことばでしゃべるわけにはいかないことです。ただ、松也さんは広島の方ですので、むしろ関西の言葉はあまりお得意ではないとうかがっています。それ幸いと、せりふの部分は全面的に江戸っ子で書きました。さあ、ところが、です。あたしゃ、江戸っ子なんてできゃしませんよ。ですから「江戸っ子もどき」なのです。
劇団四季にいらっしゃった女優の

    駒塚由衣さん

は、ずいぶん勉強されて、きれいな江戸っ子をお遣いになるそうです。その駒塚さんが松也さんと一緒に仕事をしようというお話になったそうで、7月23日に東京で創作浄瑠璃と江戸話という催しをなさいました。
それぞれにお得意ネタを披露されるのだろうと思っていたのですが、そうではなくて松也さんの創作浄瑠璃のせりふの部分を駒塚さんがお語りになるという形式のようでした。それだけでもビックリしたのに、取りあげられた演目2曲はどちらも私が書いたもの。びっくりしゃっくり庭の栗。関西人の書いた江戸っ子もどき浄瑠璃を江戸っ子のプロの駒塚さんが語られる、ひょっとしたら駒塚さんに「これ、なんなの?」と一笑に付されるのではないかとおののいていました。むしろ駒塚さんに適宜改めていただいたらありがたいところなのですが、さて、どうだったのか。演奏そのものは、お二人の熱演で泣いてくださったお客様もいらしたようで、松也さん、駒塚さんにただただ感謝しています。

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