チラシ 

昔、私の記憶にわずかにある程度のかなり昔です。日曜日などに家にいると、はるか彼方からマイクを通したような声が聞こえてきます。そしてそれが近づいてくるとセスナ機の音もするのです。つまりセスナ機がアナウンスを流しながら飛んでいるわけです。何のアナウンスかというと、広告なのです。
こうなると子どもたちはみんな外に飛び出します。
なぜなら、そういうセスナ機は時として空から

    ビラ

を撒くからです。セスナ機から撒かれるビラ。安っぽい紙なのですが、太陽光線を反射してキラキラしながら舞い降りてきます。どこに落ちるかは風次第。もちろんセスナ機は風も計算してあのあたりに落とすにはこのあたりで撒けばよいということはわかっているはずですが、こちとら子どもですからそこまで理解は及びません。ただただ「自分のところに飛んで来い」と願って大きな声を出したり、撒かれたものを追いかけて行ったりするのです。
空から撒かれるものを手にするというのは、大げさに言うなら

    宇宙人からのメッセージ

のようでもあり、かなり興奮したものでした。なんといっても宇宙人が書いた言葉(日本語ですが)をまのあたりにすることができるのですから。
それだけに、たまにそのビラを手に入れると大事に持ち帰ったのです。しかし実際は単なる広告のチラシですし、なにしろ地面に落ちているわけですから場合によっては泥で汚れたりしています。何の役にも立たないばかりか、ゴミを拾ってきたのと同じことなのです。
土曜日の朝、ゆっくりと新聞を眺めていて、どっさり入っているチラシを見ながら、ついそんなことを思い出していました。

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はたと現実に戻るのですが、新聞を見ているうちについ広告のチラシも手にとってしまうのは悲しい性(さが)です。「売りつくし」とか「タイムサービス」などという文字にも敏感になってしまいます。今日はこれが安いから、これを買ってきて少し手を加えて夕飯にしよう、などということを考えてしまうのです。特に牛乳とか米とか、しょっちゅう使うものの値段などは、スーパーごとにチェックしたりして安いところを目指して行くのです。
これも昔の話ですが、

     岡八郎さんと花紀京さん

の掛け合いで進むテレビ番組がありました。掛け合いの教科書のようなおもしろさがあったので、夜遅かったと思うのですが、熱心に見ていました。
ちびちびお酒を飲んでいるおふたりの話題がショートコントのような形で再現されるのですが、あるときこんなコントがありました。岡さんの奥さん(中山美保さんだったと思います)がたくさんの荷物を持って帰ってきたので岡さんがびっくりして事情を問うと、チラシを見て安いところで

    「目一杯買ってきた」

と言うのです。岡さんは喜んで「さすがに主婦やな」と奥さんの奮闘努力に感心し、中山さんも鼻高々。「で、どこまで行ってきてん?」と聞いたらかなり遠いのです。「さすが主婦やな。そんなとこまで買いに行って。そやけどこの荷物、重かったやろ」といたわると、中山さん「ううん。タクシー使(つこ)たから」。
私がチラシを見て安いものを買おうとしても、結局そのついでにあれこれ買ってしまうのでどこまで安上がりなのかはわかりません。この奥さんのしていることを横から見ると誰もが「バカなことをして」と笑うのですが、実は自分も似たようなことをしているのです。その、人間の弱みを突いているからこのコントはおもしろいのですね。

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