早口言葉 

文楽人形遣いの桐竹紋寿さんのご本『女形ひとすじ』を最近読み返していました。紋寿さんは淡路島出身で紋十郎門下。最初は「紋若(もんじゃく)」と名乗られたそうですが、なんでも「もんじゃく」という読み方がよくないのだそうで、師匠から「紋寿」にしようと言われた、とのことです。その後、襲名されることなくこのお名前を通され、大きくして来られました。
長らく女形として活躍されてきましたが、年齢や体調の問題もあり、今後は

    脇に回る

とご本人がおっしゃっていました。ちょっとした役でも出てくださると多くのファンが喜ばれるだろうと思います。
いつも「もんじゅ」とキーを叩いて変換すると「文殊」が出てきます。文殊菩薩、というよりは「三人寄れば文殊の知恵」のことわざのように知恵の権化として親しまれています。
私が紋寿さんのご本を読んでいた折しも、福井県敦賀市に設置されている高速増殖原型炉の

    「もんじゅ」

に廃炉方針が出されました。研究用の原子炉なので文部科学省の管轄。地元への説明も文部科学大臣が行っていたようです。
名前の由来はもちろん文殊菩薩。しかしその賢そうな名前の割にはじゅうぶんに稼働せず、事故を起こしがちで、莫大な維持費用がかかることもあって、以前から何かと問題視されていました。
恐らくその日のテレビのニュースでは「もんじゅが」「もんじゅは」と連呼されていたのだろうと思います。ああいうのって、紋寿さんはどのようにお聴きになるのでしょうね。

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そういえばアメリカと北朝鮮の関係を「米朝関係」といいますが、桂米朝師匠は、テレビで言うのをお聴きになったり新聞でご覧になったりすると、やはり気になったのだとか。私も新聞で「米朝問題」などと書かれるとなにかご一門でいざこざでもあったのかと思いました。
ところで、「もんじゅ」は「高速増殖原型炉」または「高速増殖炉」と言われますが、この

    「こうそくぞうしょく」

というところはとても発音が難しいのです。そこで滑舌のために早口言葉として活用させてもらっています。自分でもいいますし、学生にも言ってもらいます。へたをすると「好色」になってしまうのです。
もうひとつテレビのニュースでよく流れる(と思われる)「北朝鮮船籍の貨客船万景峰号」ということばも早口言葉にできます。「きたちょうせんせんせき」も「かきゃくせん」も

    「まんぎょんぼんごう」

も、それぞれにとても難しいのですが、それを三つつなげるとさらに大変です。早口言葉というと歌舞伎『外郎売』の口上に山ほど出てきます。
学生は友だちとしゃべる時は大きな口を開けますが、人前に出るとモゴモゴ言います。やむを得ないとは思うのですが、たとえば教師を目指す学生などはそれではいけません。やはり人前だからこそはっきりものを言うようにならねばならないのです。
私の授業では、ほとんどそういう話をすることはできない(授業内容と関係がないから)のですが、私以外にこういうことを言う人がいないようですので、折に触れて話しています。今度は「北朝鮮船籍の・・・」を学生と一緒にやってみようかなと思っています。

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コメント

弁慶上使

文楽の「弁慶上使」で「書写山の鬼若丸だっ!」という部分ですが、私にはこの「書写山」が「しょしゃしゃん」(笑)になりそうで、太夫さんの語りを見ている時にも緊張します。心配と期待の入り混じる複雑な視線を投げかけていると思うんです。すいません。

♪やなぎさん

書写山、言いにくいですね。
歌舞伎の「外郎売」にも「書写山の社僧正」という一節がありました。
六世住太夫が、一力の由良助で「北国」を「北極」と言った、と当代住太夫がよくおっしゃっていますが、大声で言いにくい発音をするのは大変ですね。

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