見させていただきました
- 日々牛歩
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私はこのブログでどの政党を支持するとか、どこは嫌いだとか、そういうことは書かないようにしています。
これから書くことも、そういうこととはまったく関係ありません。やむを得ず個人のお名前を出してしまいますが、その方や、その方の政党や、その方の主張に文句を言うつもりではありません。
ロシアの大統領が日本に来たとき日本の総理大臣と会談しましたが、それに対して蓮舫さんという民進党の代表の方が一問一答で新聞記者の質問に答えているのが記事になっていました(私はネットで見ました)。
その中で
「首相に率直にねぎらいをさせていただきたい」
「共同会見を見させていただいた」
「評価させていただきたい」
「しっかり議論させていただきたい」
「NHKを見させていただいた」
などという言葉が連発されています。私はどうもこの「〜させていただきます」の多用が気になってしかたがないのです。
学生が大事な授業を休んだために友だちに「この間の授業のノート、コピーさせてください」というのはきわめて礼儀正しい言い方です。
「~させていただく」というのは原則としては
相手の許可
が必要なことをしてもらい、しかもそれが自分にとって有益である場合に用いるものです。もちろんそれは原則で、あまりこだわりすぎることもないと思いますが。
教員が学生に向かって「では今日の授業はこれで終わらせていただきます」といったり、会議で議長が『ただいまより会議を始めさせていただきます」と言ったりするのはそういう意味では奇妙な表現です。これらは相手の許可を求めるものではないからです。
その理屈で言うと「年末は二十八日まで営業させていただきます」というのも正しくはないでしょう。「二十八日まで営業致します」でじゅうぶんなのです。しかしこれは「申し訳ございません」という気持ちの表現という意味で言っているのでしょうから、あまり目くじらを立てることはないと私は思っています。
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自分は傲慢な政治家ではない、国民の見方であって、あなたたちの気持ちを理解しているし、そのしもべとして日々努力しているのだというようなものの言い方に思えてなりません。ひねくれた受け止め方かもしれませんが、これは私の感覚的なものなのでどうしようもありません。
政治家がこういう表現を多用するようになったのはいつごろからなのでしょうか。
あるいはテレビが政治家を呼ん議論させる番組を盛んに作り始めた頃かもしれません。そういう番組では発言の内容は大体わかりきっているので、存外、身だしなみとか言葉遣いとか、そういった付加価値が重要な意味を持っていたように思います。
視聴者に嫌われるような物言いは
タブー
だったのでしょう。なにしろ選挙はイメージが大事だそうですから。
ただ、私は有権者に対して媚を売るような姿勢、言葉遣いはどうにも好きにはなれません。
中味で勝負せずに上っ面を糊塗するような言い方では政治家といえるのかという思いが抜けきらないのです。
・・・などと偉そうに行ってしまいましたが、それなら私自身はどうなのかというと、とても政治家に楯突けるようなものではありません。こういう話をすると学生さんに受けるだろうとか、そんなことを考えない日はないといってもよいのですから。
- [2016/12/21 00:00]
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