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本が売れない 


私は学生時代に本ばかり買っていました。あのころ買った本は今も大事に使っているものが大半で、なかなか捨てられずにいます。
当時は国文学科というのが全国に五万とあって、国文学の本を作ればそこそこ売れたのです。もちろん、個人の論文集などは補助を受けたりしながら赤字覚悟で出すのですが、教科書のようなものはよく売れました。恩師のお手伝いである小さな教科書を出版したときも、その

    印税

を研究会の費用にするという目的もあったのです。つまり教科書を作れば赤字どころか印税も入ってきたのです。
私が勤めた短大は国文科だけで1学年700人の学生がいました。かりに自分で教科書を作って学生に買わせていたら毎年500冊売れたとしてもちょっとしたタバコ代(タバコは吸いませんが)くらいかせげていたのだと思います。惜しいことをしました(笑)。
国文学関係の一般書も売れていました。カルチャーセンターでも国文学の講座は必ずありましたし、それもさせてもらえていたらもっとかせげたのだろうと思います。お金に無頓着だったあのころの生活が、今、

    ボディブロー

のように効いてきました(笑)。
それ以後もいくらかの出版に関わってきましたが、小部数のものばかりでお金とは縁がありませんでした。ある本を書いた時は印税分のその本を買い取りました。所詮売れない、もうからない本であることはわかっていましたので、出版社の人が喜んでくれました。

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今はほんとうに出版事情がよくないそうです。この間、ある編集者さんからうかがったのですが、広告戦略も変わってきているようです。以前なら新聞の書評で取り上げられるとぐっと売り上げが上がったそうですが、今はあまり効果がないのだとか。また、新聞への広告も効果が薄いと聞きました。「みなさん、

    新聞を読まなくなった

のでしょうかね」とその方は嘆息をついていらっしゃいました。「テレビで本を見せたりすると売れますか?」とうかがったら、よくわからないが、それはさすがに効果があると思う、とのことでした。
新聞を読まない、本を読まない、そういう時代なのでしょうか。かく申します私も、本をとんと買っていません。読むものはたいてい

    図書館

のお世話になっています。
私の場合は単に買うお金がないだけのことですが(笑)、私だけでなく、不況で本に費やすお金がない、ということもあるのかもしれません。
新聞も、ニュースならテレビやネットで見ることができるから、という感覚の人が増えているのでしょうか。学生など、本当に新聞は読まないようです。出版社が不況で倒れていくこともあり、大きな会社だからといって油断はできないようです。

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