クラーナッハ 

ヴィッテンベルクの宮廷画家ルカス・クラーナッハ(Lucas Cranach 1472—1553)は、ドイツルネサンスを代表するアーティスト。個人としてのみならず、工房を持って子どもたちの協力も得ながら多くの絵を生み出したそうです。
そのクラーナッハ及び彼の工房の作品を集めた展覧会が東京と大阪で行われ、私は大阪中之島の国立国際美術館に行ってきました。
あまり体調がよくなくて、いつもなら梅田から20分ほどで行けるのに、

    45分

ばかりかけて(途中休憩時間を含む)行ってきました。梅田橋のあったところから田蓑橋を渡ります。かつては見るものを圧するようであった、そして今はその威厳を失ったレプリカのようなダイビルの近くを通って中之島へ。
それを狙って時間帯を選んで行ったわけですが、平日の午前中で、予想に違わずガラガラでゆっくり観ることができました。
この人物の名前、展覧会の公式の表現では

     「クラーナハ」

でした。ドイツ語の発音ではそれが近いのでしょうか? 美術史の分野ではそれが常識なのかも知れませんが、私は読みにくいので「クラーナッハ」か「クラナッハ」と言っています。
絵の善し悪しはよく分かりませんが、なんともなまめかしい作品が数多く展示されています。

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「正義の寓意」(個人蔵)は展覧会のチラシの表面を飾る作品ですが天秤と剣を持った女性像。天秤というとフェルメールにも「天秤を持つ女」がありますが、あれもおもしろい絵です。クラーナッハの絵はやや左に首を傾げた女性が描かれますが、彼女は裸のようで実は薄衣をまとっています。この薄衣はさまざまな作品に描かれていますが、注目されたのは「ヴィーナス」(フランクフルト シュテーデル美術館)と「ルクレティア」。どちらも薄衣を持って佇んでいます。「ヴィーナス」はしばしば描かれるような豊満な女性かというとそうではなく、むしろ腰のくびれた

    華奢な姿

に描かれています。手に薄衣を持っているのですが、ぼんやり見ていると何も持っていないようで、その姿が仏像、例えば蔵王権現(笑)のようですらあります(忿怒の表情ではありませんけどね)。一方の「ルクレティア」は美しく貞淑な女性であるが故に受けてしまった屈辱によってみずからの胸に剣を突き立てる場面。この絵の主人公も薄衣をまとっています。この二つの絵は会場の少し離れた位置にありますが、振り返るともう一方の絵が見えるところに置かれています。美の女神と称えられるヴィーナスと美しいがゆえに悲惨な最期を遂げたルクレティア。

    「美の光と蔭」

というか「美の明暗」というか。
最大の呼び物は「ホロフェルネスの首を持つユディト」(ウイーン美術史美術館)でしょう。このテーマはユディトがまさにホロフェルネスを殺害する場面を描いたカラバッジョやアルテミジア・ジェンティレスキの作品もありますが(私は以前アルテミジアのものを「カポディモンテ美術館展」で観て強く印象に残っています)、クラーナッハのものは首を持ってややうつむき加減にキュッと口を結んでいるユディトです。これもまた忘れられない作品になりそうです。

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