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葦の片葉(1) 

難波の葦は伊勢の浜荻。
ものの名はところによって違います。
というと何やら落語のマクラのような言い方ですが、この「葦」という植物に関心を持ってきました。とはいえ、子どものころから植物についてはまったく無知で、桜と梅くらいしか区別できなかったくらいですから、葦と言われてもよくわかりません。
「あし」は「悪(あ)し」に通じるのでわざと逆の意味の

    「よし」

と読みかえることもあります。「芦田」と書いて「よしだ」と読む名前の方もいらっしゃいます。
私の場合、茎を簾の材料にすることでかろうじて知った植物で、あとは

    難波潟短き葦の節の間も
        逢はでこの世を過ぐしてよとや (伊勢)


    難波江の葦のかりねのひとよゆゑ
      みをつくしてや恋ひわたるべき (皇嘉門院別当)

のような、文学の素材として知るくらいでした。これらの歌は百人一首に入っていますから、解説書も豊富で、しばしば歌の横に葦の写真が掲載されたりします。しかし植物にあまり関心のない私はたいてい見過ごしてきたのです。

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そんな私がなぜ葦に関心を持ったかといいますと、本所七不思議のひとつに「片葉の葦」があるからです。
本所にあった駒止橋のあたりの葦は片葉(片方にしか葉がつかない)だったそうで、そのいわれをお駒と留蔵(二人合わせて「駒留」)の物語にしたものです。
お駒は稀に見る

    美貌

で、近所の留蔵が激しく迫ります。しかしお駒にその気はなく、留蔵は可愛さ余って憎さ百倍で、駒止橋あたりでお駒の片手片足を切って殺してしまいます。そして彼女を橋の架かっている堀に投げ込むと、それ以後そのあたりの葦は

    片葉になった

というのです。
美男とか美女というのは羨ましがられますが、こういう目に遭うこともたしかにありますね。私は「美」に無縁でよかったです。
なんとも残酷な話ですが、今いうストーカー殺人でしょうか。

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