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采女(1) 

『枕草子』に「池は」という段があって、清少納言は『大和物語』などに見える采女の入水の話とそれにまつわる柿本人麻呂の和歌などがあることによって猿沢の池の名前も挙げています。
文楽ファンであれば『妹背山婦女庭訓』ですよね。「猿沢の池」という段もありますから。
『大和物語』の内容はざっとこんな感じです。
昔、「ならの帝」に仕えていた采女(‘地方から召し出される見目麗しい若い女性で、食事の世話などをする)がいて、とても美しい女でした。多くの男たちが

    「よばう」

のですが、見向きもしません。なぜなら彼女の心には帝の存在があるからです。帝は、一度は寝所に召すのですが、あとは知らん顔。お世話をするのにすぐそばにいるのに、2度と声がかからないのです。帝は大したことと思っていないのです。そこで采女は絶望して、夜ひそかに

    猿沢の池

に身を投げました。帝は最初そんなことは知らなかったのですが、たまたま告げる人があってかわいそうに思いました。そこで池まで行幸して人々に歌を詠ませたのです。その中に柿本人麻呂がいて、彼は
   わぎもこのねたくれ髪を
猿沢の池の玉藻と見るぞわびしき
と、帝の気持ちになって詠みました。私の愛しい人の寝乱れた髪を、猿沢の池の美しい藻と見るのがわびしい、というのです。帝も一種の歌を詠み、そこに墓を作って帰ったのでした。

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