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采女(2) 

采女というのは女官とはいっても身分の低いもので、地方から(今どきこんな言葉を使う不謹慎と言われそうですが)「献上された」人なのです。帝にとってはあまたある女のうちの一人。そして、田舎の人ですから、いかに見目麗しくとも、どれほど風流の道に通じていたか。何しろ帝の周りには中宮だの女御だの更衣だの、はたまたそれ以外の高位の女官(尚侍=ないしのかみ=など)や女房たちもひしめいているのです。采女などにそうそう目を配ることはできなかったのでしょう。
しかし彼女の美貌はかなりのもので、男たち、殿上人にまで

    「よばう」

ことをされるのです。
「よばう」というと今は何となく「夜這う」と理解されている節があります。『竹取物語』の中に、かぐや姫を求める男たちが夜な夜な訪れたので、「夜這ひ」ということばができたのだ、と面白いことを書いているのです。ただ、これは語源としては間違いで、正しくは

    「呼ばふ」

で、繰り返し相手を呼ぶことです。これが求愛の意味になりました。
采女はさながらかぐや姫のように男たちから求められたのですが、男たちを相手にしないかぐや姫と違うのは帝に思いを寄せていることです。そして帝から愛されることはないと知ると天に上るかぐや姫とは対照的に池の藻屑となってしまうのでした。
彼女の美しい髪を「玉藻」に例えた人麻呂の歌はなかなか魅力的なものです。

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