五十年まえ
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大作もいいのですが、山本周五郎の中短編も好きです。昨日書いた「つゆのひぬま」は暴風雨に洗い流されたかのようなおひろのこころが、美しい星空とひとつになるようです。
将監さまの細みち
は、やはり岡場所の女が主人公です。病気の夫と子どもを抱えたおひろは料理屋で働いていると偽って赤坂田町の岡場所づとめをしています。
おひろには幼いときに想いを寄せた常吉という人がいますが、その常吉が「天神様の細道じゃ」を、自分たちの家が松平将監という屋敷の近くだったので「将監さまの細みち」と歌おうと言ったのです。
おひろは夫に岡場所づとめを知られ、殴られます。もうこの人と一緒にはいられない、と思います。そんなとき、店に常吉が現れて・・。
彼女は口ぐせのように
五十年まえ、五十年あと
と言います。五十年前には私は生まれていなかった。五十年あとにはこの世にいない。
人生ははかないからこそ今を生きていく人たちは精一杯ぎりぎりのところを歩んでいる。
こういう目で人生を見つめた作品が最近身にしみるようです。
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- [2019/10/31 00:00]
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