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剣闘士 

何ごとにも意気地なしの私は血なまぐさいのが苦手です。
古代ローマでは闘技会というのがあり、ずいぶん血なまぐさいことが行われたようです。獣(ライオン、豹、象、熊など)を殺したり、罪人を殺したりして、メインイベントとしてグラディアトル(剣闘士)による闘いがあったようです。
大相撲のように最初は格下の者が登場し、次第に著名なグラディアトルが出てきたといわれます。以前、ジェロームの「指しおろされた親指」という絵を見たとき、少なからぬ戦慄を覚えました。

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↑ジェローム「指しおろされた親指」

剣闘士が、闘いの相手を踏みつけていて、観客にこの男をどうすればよいかを問うているのです。親指を上げる(サムアップ)か、下げる(サムダウン)かによって、あわれ、この人物の

    運命は決まってしまう

のです。サムアップすると「殺せ」の意味だとも「救ってやれ」の意味だとも言われ、私にはどちらかよくわかりません。ジェロームの絵では、観客はサムダウンしているのです。さて、踏みつけられている男は助かるのか、殺されるのか。

闘牛というのも残虐ですし、イギリスでは熊いじめというショーのようなことがありました。

今の日本でこういうことが行われるとは考えられませんが、似たようなことはあると思うのです。
最近、関西のテレビではCOVID-19への対処をめぐって、

    大阪はすごい

の大合唱をしていると噂に聞きました。私はテレビを観ないのでよくわからないのですが、ほんとうにそんな状況なのでしょうか。今、大阪を牛耳っている政治家たちはわざと相手を怒らせて、相手が頭に血が上ったところで揚げ足を取るようなことを言い、ニヤニヤと勝ち誇った顔をする、という手法をとってきました。これはやくざな法律家のすることです。
私には、しばしば彼らが

    横綱級の剣闘士

に見えてしまうのです。かつてオーケストラや文楽への補助金をなくすと言ったときも、反論する人たちを踏みつけて、観客にサムアップかサムダウンを求める。熱狂する観客はいっせいに「殺せ」の合図を送る。メディアはろくに批判もせずにそのショーを流す。
ウイルスに立ち向かう「正義の剣闘士」たちに喝采を送れば視聴率が稼げるということなのかもしれませんが、ほんとうにそういうことがおこなわれているならぞっとしてしまいます。冷静に批判していくことが本来のメディアの仕事ではなかったのか。蔓延しているのはウイルスだけではないようで、不安になります。
大阪は古代ローマのレベルになっていないか、疑ってしまいます。

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