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フィジカル ディスタンシング(Physical Distancing) 

最近、電車ではできるだけ人と離れようとする傾向があらわな感じがします。以前阪急電車の十三駅から神戸方面に行く特急に乗ろうとしたらさほど混んでいなかったのですが、いくらか立っている人がいたのです。では座席は満席なのかというと、そうではありませんでした。多くの人が、隣の人と少し距離をあけて座っているので、1.5人分の座席を一人で占めているのです。ところが誰も「ちょっと詰めていただけませんか」なんて言わないのです。それでも座ろうとする人はいないわけではなく、詰めてもらっていましたが、元から座っていた人はなんとなく嫌な顔をしていました(笑)。
店でレジに並ぶときは前の人との間に距離を取るのは当たり前になってきました。最近、WHOが言う

     Physical Distancing(物理的な距離をとること)

が、かなり浸透しているのですね。外国でもうまく機能しているのかもしれませんが(外国のことは知らないのです)、こういうことに対してあまり逆らおうとしない正直さは日本人らしいと言えるかもしれません。いいことだと言えるでしょうね。昔の道頓堀朝日座の文楽上演時の客席は「ナチュラル ディスタンシング」だったように思います(笑)。
私の好きな美術館はまだ閉館したままですが、有名作品をドカンと持ってきて、各種メディアで大々的に宣伝して、ごった返すほど多数の観客を入れる、というやり方では物理的に離れるなどということは難しいですね。だいたい、観る方もそんな状態では落ち着いて鑑賞するなんて無理な話です。館外で3時間待ち、中に入ると押し合いへし合いしていつのまにか館外に吐き出される、という状態で、絵なんてそうそう楽しめないでしょう。東京国立博物館でのレオナルド・ダ・ヴィンチ「受胎告知」や京都国立博物館の

     「鳥獣人物戯画」

など、時間帯を工夫してすいているときを狙ったものの、それでも押し合いへし合いには変わりませんでした。
美術館が再開された場合、「大作を集めて観客を大量動員する」というやりかたはしばらく避ける必要があるかもしれません。その一方、それでは美術館の収入が落ち込んでやっていけない、美術館の意義が薄れる、という理屈も分かります。今、美術館を運営する立場の方々も今後についていろいろお考えになっているのだろうと想像します。

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