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俤源氏物語(1) 

作家の舟橋聖一(1904~76)というと『雪夫人絵図』『花の生涯』『絵島生島』などの作品がありますが、昭和二十六年(1951)には歌舞伎で『源氏物語』を脚色するという仕事もなさいました。
この芝居は、九代目市川海老蔵(後の十一代目団十郎)や七代目尾上梅幸らの出演で、大変な人気だったそうです。舟橋さん自身が「戦後あんなに客のはいった芝居は少ないといわれています」(小学館日本古典文学全集『源氏物語 四』月報における阿部秋生氏との対談)と言われるほどです。
松竹は、これなら文楽でもいける、と思ったのでしょうか、翌年三月(一日が初日)に

    俤源氏物語(おもかげげんじものがたり)

を上演しています。この公演は大阪文楽会第五回公演で、「竹本綱太夫 竹澤弥七 毎日演劇賞受賞記念」と銘打っておこなわれました。綱・弥七は「城木屋」と後述する「河原院怨霊」を語っています。
ついでにこの時の公演情報を書き添えておきます。第一部(『祇園祭禮信仰記』「金閣寺」、『恋娘昔八丈』「才三勘当」「城木屋」「鈴ヶ森」、『安宅関』「勧進帳」)と第二部(『俤源氏物語』「夕顔の宿」「道行」「河原院怨霊」、『源平布引滝』「実盛物語」、『碁太平記白石噺』「吉原揚屋」)は十二日から昼夜入れ替えでした。一等席はすべて税込みで300円、二等席150円、三等席100円、一幕券50円でした。ただし、初日に限り、一部の料金(例えば一等席なら300円)で

    通しを観ることができた

そうです。
さて、『俤源氏物語』は、吉井勇作、西亭(野澤松之輔)作曲・演出、山村若振付、大塚克三装置で筝曲は菊原初子社中でした。タイトルは厳密に言うと『俤源氏物語 夕顔の巻』で、「夕顔の宿の段」「夕顔光源氏道行 蟲づくし」「河原院怨霊の段」から成っています。演者も記しておきます。
 夕顔の宿の段
    竹本南部太夫
    豊澤  広助
 道行蟲づくし
    豊竹 松太夫
    豊竹 宮太夫
    竹本織の太夫
    竹本織部太夫
    野澤 松之輔
    野澤  八造
    野澤  錦糸
    鶴澤  寛弘
    豊澤 新三郎
 河原院怨霊の段 
  切 竹本 綱太夫
    竹澤  弥七
  八雲 鶴澤 寛弘
(人形)
  光源氏     吉田 玉助
  夕顔      吉田 栄三
  六条御息所怨霊 吉田玉五郎
  惟光      吉田 玉男
  下家司     吉田 兵次
  阿闍梨     吉田 登一
  右近      吉田 光次
  牛飼童子    吉田 光枝
  大弐尼     桐竹紋太郎
  随身      大ぜい
という人たちです。
内容は、『源氏物語』をご存じの方ならおよそ想像していただけると思うのですが、光源氏と夕顔が「なにがしの院」(文楽では「河原院」)にでかけたとき、何者かわからない(文楽では「六条御息所」)霊のようなものが現れて夕顔が頓死してしまうという場面です。
このあと3日間、もう少し詳しく書きます。

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