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江戸落語を知らない(1) 

子どもの頃から落語が好きで、当時はラジオで演芸番組がかなりありましたのでよく聴いていました。NHKラジオでは現役の噺家さんだけでなく、昔の方、たとえば初代春団治とか五代目松鶴とか、そういう人たちの落語もわりあいに放送されていました。春団治師の「黄金の大黒」とか松鶴師の「天王寺参り」は録音して何度も聴きました。
当時現役だった記憶にある人では三代目染丸、六代目松鶴、三代目米朝、三代目小文枝(のち五代目文枝)、三代目米之助、三代目春団治、四代目文紅、我太呂(のち三代目文我)……みなさん鬼籍に入られました。
ところが私は、江戸落語はさっぱり知りませんでした。
何しろ聴く機会がないのです。稀に聴くことがあるとしても、先代の林家三平さんのようにテレビでお目にかかる方だけ。あの方は落語ではなく話芸ショーのような感じで、とても人気が高かったのですが、私はさっぱりおもしろさがわかりませんでした。またあの頃から「笑点」という番組はありましたが、あの人気コーナーの「大喜利」は、(制作上やむをえないのでしょうが)あまりにも

    ヤラセ感

に満ちていて、おもしろいとは思いませんでした。ある上方落語の若手(今ではもうベテラン)の方があの番組に出られたことがあって、それについて大阪のラジオで「完全に仕込みが入ってて、お客さんもサクラみたいなもんです」と暴露されていました。私はちっとも驚きませんでしたし、多くの方もそれを分かったうえで観ていらっしゃるのでしょう。この噺家さんが関西のテレビで同じような大喜利番組の司会をされていたことがあって、これも完全に仕込みがあったのですが、この人は「仕込んでるの、丸わかりでんな」と番組中に言っていました。これが大阪のホンネの物言いなのですね。
ともかく、そういう不幸な出会いでしたので、私の頭には「江戸落語は面白くない」という思い込みができてしまったのです。
結局、高校大学時代も上方一筋。江戸の人はまず聴きませんでした。その後、仕事でしばしば東京に行くようになって、浅草の演芸場とか末広亭とか池袋の演芸場とか国立演芸場などには行ったのですが、これといった人に出会うことがありませんでした。それだけならまだよかったのですが、テレビの人気者が出てこられて、まるできちんと話をせずに

    「私は人気者です」

とアピールするだけのような哀しい舞台も観てしまいました。
ただ、これは演者の方に責任を負わせるわけにもいかないのです。何と言っても私の耳が江戸落語になじんでいなかったことが原因だと思うからです。事実、お客さんたちはその方が登場されるとひときわ大きな拍手をされて、とても喜んでいらっしゃいましたから。

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コメント

ひょんなことから江戸落語に

十代のころから上方落語に馴染んできました。ですからテレビなんかで「なんだい、このやろー」など江戸落語をやっていてもすぐに違う局にかえてきました。
そんな私がなんで江戸落語を聴くようになったのか?
20数年前から東京出張が増えました。その日はなぜか東京のホテルがどこも満室。予約が取れません。やっと取れたのが浅草の「貞千代」という和風旅館です。仕事を終えて浅草観音裏の怪しげな界隈で「貞千代」を探しました。怪しげな界隈の怪しげな旅館です。でも「一晩だけガマンすればいいんやし」と自分をなぐさめながら探しました。なんと!貞千代は江戸情緒たっぷりの素敵な旅館だったのです。月に一度は貞千代に泊まるようになりました。
仕事を終えてから気が合うわけでもない同僚たちと飲みに行くのが苦手な私は、「ちょっと用事が」と言い訳しながらひとり貞千代に向かうのでした。
夕方から旅館に入っても退屈で、ある日思いきって浅草演芸ホールに入りました。お世辞にもキレイとは言えない古めかしい演芸場です。テケツのオネエサンが「お弁当を買ってから入ったらいいよ」と教えてくれたので、近くのスーパーでツマミ&ビールを買ってきました。
お客は少ないのに、噺家さんは15分ずつ高座を勤めては次々と代わります。なかには面白くない噺家さんもいますが、こちらは休憩時間だと思ってぼんやりして「くつろぎ」ます。
そのときのトリはどなただったか失念しましたが、人情噺でホロリとさせられました。いらい「江戸落語もいいやん」と気づいて今にいたっています。

♫やたけたの熊さん

やはり、関西にいると江戸落語にひたるのは難しかったですね。そうでしたか、そんな偶然があったのですね。
それにしても、オネエサンが「お弁当を買ってから入ったらいいよ」と教えてくれたのに「ツマミ&ビールを買って」きたとはこれいかに。

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