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十一面観音立像の口元 

少しずつではありますが、仏像に興味を持ち始めています。こういうことは学生時代にしておかねばならなかったのですが、今からでも何も勉強しないよりはいいだろうと思っています。
仏像にはさまざまなものがありますが、個性豊かなものだと改めて感じます。中でも面白い雰囲気を持っていると思ったのが奈良県室生にある室生寺の

    十一面観音像

です。室生寺の金堂には所狭しと二体の如来と三体の菩薩が置かれています。不思議なことに大きさなどに統一性がなく、一見して奇妙な印象を持つのです。中央にある本尊は釈迦如来とも薬師如来とも言われます。向かって右隣りには小ぶりの薬師如来、その右に地蔵菩薩、向かって左隣には文殊菩薩、左端に十一面観音菩薩という配置です。もう一度言いますと、向かって右端から地蔵、薬師、釈迦(または薬師)、文殊、観音が並んでいるのです。
しかし、どうやらこれらは本来の形ではなく、もともとは薬師、地蔵、観音の三つの像だったのではないかと言われているのです。しかも地蔵菩薩は現在置かれているものではなく、近くのお堂にある地蔵菩薩が本来は室生寺にあったものだと推定されているらしいのです。
さてその十一面観音なのですが、一木の彫像で、左手には持物である水瓶、右手は与願印になっています。そしてそのお顔は、一度見たら忘れられないのです。目は細めて、頬は少し膨らんで、口はとがらせ気味。菩薩らしく装飾(瓔珞)もさまざまでそれらは金具です。
この、膨らませた頬ととがらせた口はどういうことを意味するのだろう、と思ったのですが、あまりきちんと解説されているものが見当たりませんでした。その中で、西村公朝氏の解説が気になったのでここにメモしておきます。
釈迦が会得した呼吸法に

    アナパーナサチ

があります。これは一気に息を吸って、ゆっくり吐き出すもので、1分間に1~1.5回くらいしか呼吸しないのだそうです。試みに私もこの呼吸法の真似をしてみたのですが、息を吐いているうちに無我の境地に入れそうな気持になりました。そして、この十一面観音もみずからの法力をこの呼気によって拝礼するものに吹き付けているというのです。この像のみぞおちの部分にはくっきりと二本の線が刻まれていますが、これは息をすべて吐き出した時のものなのだそうです。
もっとさまざまな解説書を読まないと詳細はわからないのですが、このようにいわれてみるとこの十一面観音像の姿がいきなりダイナミックなものに見えてきました。向き合う人を細い目で見て、すっと息を吸ったかと思うとふーっと吐き出してそのエネルギーを与えてくれるような気がするのです。実物を拝見したことがありませんので、一度拝んでみたいものだと思います。

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