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蔦紅葉 

私の家の近所に、阪神大震災以後どなたも住んでいない空き家があります。といっても、小さな小屋のような家ではなく庭が広くて石灯篭が置かれているようなちょっとしたお屋敷なのです。
いったいどうなさったのか、まるで分らないのですが、外回りはときどき業者の人を雇って草などを取っていらっしゃるので、完全に放置されたわけではなさそうです。それでも庭は荒れ放題(私の目の高さからは塀越しに少し見えるのです)で、たわわに実っている

    

が寂しいです。
二階建ての家も雨戸の開く気配がなく、中はどうなっているのだろう、と他人ごとながら気にならないでもないのです。
私の家の近所は

    「売り土地」

の看板が出るとすぐに買い手がつくようなところで、最近もかなり広いお宅が土地を半分お売りになると、あれよあれよという間に医院が建ちました。
そんな感じで、空き地や空き家はめったにないので、その空き家はよけいに異様な感じがしています。
建物はいつしか伸びてきた

    

がわがもの顔に勢力を伸ばしています。二階の雨戸など、蔦で6割がた覆われてしまいました。
その蔦も、時節柄紅葉しています。いわゆる「蔦紅葉」です。枯れたものもありますが、そのそばで真っ赤になった葉がひときわ目を引きます。
正岡子規は蔦紅葉をよく俳句に詠んでいます。

  山賊のすみかをとへば蔦紅葉
  枯れ木とも知らずに蔦の紅葉かな

赤くて鮮やかな葉だけにいっそう侘しさも感じさせます。
式子内親王にも蔦紅葉の歌があります。

  秋こそあれ人はたづねぬ松の戸を
   いくへも閉ぢよ蔦のもみじ葉

やはりすさんだ情景に合うようです。
しゃれではありませんが、空き家の秋はほんとうにわびしさが募ります。いささか詩情をそそられますので、私もこれを主題に秋の短歌をいくつか詠んでみることにします。

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