fc2ブログ

空き家の歌 

晩秋になると、いろんなものが心に沁みて見えます。同じものを見ても季節によってこうも違うのかと思います。
先日ここに書きました阪神大震災以来の空き家は年々哀れを深めます。この家は、あの震災で塀が完全に崩れ落ち、その後、塀そのものは修復されたのですが、もう誰も住まなくなってしまっています。
道に面した石垣からは、その隙間に種が落ちたのか、どうやって成長したのかと思うような

    ランタナ

の花が長らく咲いています。あの草は生命力が強いそうですが、それにしてもわずかな隙間を見つけて花をつけるのは見事ですらあります。
先日も書きましたが石灯篭が見えるのです。もう誰もあれを愛でる人はいないのだな、と思うと切なく感じます。
夕陽が射すと西向きの家や庭が映えます。震災から二十五年、売られるわけでもなく、留守番の人が来るわけでもなく、ただ、古屋敷がじっと佇んでいるばかりです。
この空き家を歌に詠んでみたいと思っていました。
私が属している短歌の会の新年号の締め切りがきましたので、一気に七首詠んでみました。

  入り日さす浅茅生の庭
   柿の実の誰を待つとてたわわなるらむ
  閉ざされし窓隠さんと駆けのぼる
   蔦の朽ち葉に夕あかねさす
  廃屋の灰色壁を這ひのぼる
   茜色濃き蔦のもみぢ葉
  草の名も見分かぬ庭にひとむらの
   鶏頭ありて秋を哀しむ
  鶏頭の紅きをまもる石灯篭
   めでられもせぬ庭に佇む
  主(あるじ)なく宿の石垣寂しむや
   隙間破りてランタナの咲く
  震災に主は去れど二十五年
   茜に映えて古家は朽ちず

にほんブログ村 演劇・ダンスブログへ
にほんブログ村
↑応援お願いします
KatayamaGoをフォローしましょう

スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tohjurou.blog55.fc2.com/tb.php/5557-b66ea806