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娘に引かれて大塚国際美術館参り(4) 

大塚国際美術館の絵は写真撮影も自由ですので、たくさんの方が撮っていらっしゃいました。私は一つ一つの絵については特に自分で撮った下手な画像を観るくらいなら、ネット上に氾濫しているものを味わった方がよほど見事ですから、ほとんど写真は撮りませんでした。ただ、観客と一緒に(もちろん後ろ姿ばかりです)写したものがいくつかあります。どれくらいのスケールなのを知るためです。
その代表例が、レオナルド・ダ・ヴィンチの

    最後の晩餐

です。この絵があるために「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ修道院」は世界文化遺産になっています。ナポレオンのミラノ侵攻や第二次世界大戦によって傷を受けながらも、こんにちまで生き残ったすぐれた絵画です。レオナルドはどういうわけかこの壁画をテンペラ画で描いたために剥落が激しく、かなりひどい状態になっていました。しかし、20世紀の終わりに20年ほどをかけて修復が行われ、できうるかぎりレオナルドの描いたものを復元することに注力されました。
この修復とともに、コンピューターを使っての復元もあって、いろいろなことがわかったのでした。たとえば、イエスの口が開いていること。これは「この中に私を裏切る者がいる」という言葉を表しているのでしょう。そしてその直後に弟子たちがそれぞれの反応を以て驚愕する様子が描かれます。実際はイエスが言った後に人々は驚愕するわけですから、いわばこれは異時同図法なのではないでしょうか。ペトロは持っていたナイフをイエスとは逆の方に向けるようにしてヨハネに耳打ちをしています。バルトロマイはテーブルに両手をついて挑むような表情で「それはいったい誰なのか」と言っているように見えます。フィリポは優しい手を見せながら、「それは私だとおっしゃるのではないでしょうね」とでも言っているようです。大ヤコブは興奮する人たちを抑えるように両手を広げています。実に豊かな表現力です。
そして、裏切り者である

    イスカリオテのユダ

は裏切りの報酬である銀貨三十枚の入った布の袋をぎゅっと握りしめてのけぞっています。
大塚国際美術館の「最後の晩餐」はこの修復前と修復後を壁の両面に展示するというものです。幅9mあまりということは知っていましたが、やはり原寸大で観てみるとそのスケールはほんとうに大きなものでした。
理屈は勉強すればわかりますが、観ないとわからないことはたくさんあるのだ、ということを教わった体験でした。
娘には感謝しています。

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