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改めて新作を思う(1) 

文楽に新作はあってよいのかという問題については、さまざまな意見があると思います。しかし、現実にはなかなか上演されず、最近は子ども向けの作品にとどまっているように思います。
歌舞伎では、若者に人気のある漫画などを脚色して上演するという工夫があります。歌舞伎は役者さんがテレビドラマなどに出演しますし、勘九郎や海老蔵とその子どもなどのドキュメンタリーをゴールデンタイムに放送したりして、よく親しまれています。
能でも最近

    「アマビエ」

という作品が登場しました。もちろん疫病退散を祈念するという意味合いのものです。また、聞いたところによると、テレビ番組で能の家にまつわる若者に受けるような内容のドラマが放映されたこともあったとか。
歌舞伎や能狂言と違って東京に本拠のない芸能である文楽は、テレビで取り上げられるといっても、NHKでの「厳しい芸の追究」を主題とするような、あまり若者向けとは言い難い内容のものがせいぜい、というところでしょうか。
それでもいい、大切なのは伝統の保護である、というのはわからなくもないのです。好きな人は「寺子屋」や「すしや」や「封印切」が観たいのであって、今年の夏の公園のように「舌きり雀」が上演されてもあまり関心はないかもしれません。また、高校生や大学生くらいの若者(文学や芸能にあまり関心のない者)も今さら「舌きり雀」なんて観たくもない、というのが本音ではないでしょうか。『忠臣蔵』はわからないし、『孫悟空』では物足りないし、『夫婦善哉』ですら古めかしいし、という人たちに何かアピールするものはないのか、あるいはアピールする必要はないのか、ということをつらつら考えてしまいます。
私は高校生あたりから伝統芸能にかなり関心を持っていましたので、文楽って何かと言われてもまるで答えができない若者が不思議でさえあります。しかしそれは私が間違っているのであって、わからなくて当然だともいえるのです。
高校生に文楽を見せる

    鑑賞教室

というのがあります。若い技芸員さんの解説はなかなか人気があってわりあいにウケるようです。ところが、そのあと「寺子屋」などが始まると、「今日はもう終わった」とばかりに熟睡する生徒や先生(笑)が続出します。終わると「よかった、よかった、終わってよかった」という雰囲気を感じることもあります。
古典でないとダメ、という意見は正論かもしれません。しかし正論は時として虚しいものになりかねません。
このコロナウイルスパンデミックは、あらゆる人間に、あるいは人間の営みに与えられた試練のように思えてなりません。反省し、新たな未来を作るきっかけにしなければ、ただつらい日々をこらえるばかりに終わりそうに思うのです。
私はこの際、文楽のこれからの在り方にもいくらか落ち着いて考えるべきではないかと思うようになりました。

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コメント

新作

藤十郎さん

新作、とても大切だと思います。

古典は私も大好きですが、現代の一般的な大人や子供が楽しむには言葉の壁がとても大きいと思います。

字幕があっても難易度は高いと思います(そもそも仮名遣いなど昔のままですし)。

文楽の舞台にある程度なじんでいる人でさえ、はじめて見る演目では予習が必要なくらいですから・・。


「生の舞台を見てみたが、ちんぷんかんぷんで気がついたら寝ていた、もう行かない」
ではあまりにももったいないと思います。


演出でいったらアニメやマンガの舞台化は歌舞伎より文楽の方がもっと原作寄りにできることが多いのでは。

ただアニメやマンガは特に女性キャラは目が大きいものが多いので、文楽人形のままだと違和感がありそうです(某ミクも・・・)

文楽人形ももっと現代的な(アニメっぽい)顔立ちのものも、時には必要ではと思います。

ちょっと議論を呼びそうですが。

🎵如月さん

「新作」というだけで、「バカなこと言ってんじゃねーよ」という感じで冷ややかに笑う人も少なくないと思います。
昔、松竹が盛んに新作を試みたことがありましたが、あれは文芸ものやオペラなどを脚色したものでした。
あれを「松竹のあがき」と見るか、今後の文楽への指針と見るべきかは、感情的にならずに考えるべきだと思います。
高校生のための鑑賞教室なら、メインの演目はいっそ字幕など必要がない、松竹の新作よりはるかに斬新なものにする手もあると思います。
私自身、まだ考えがまとまらないのですが、いろいろ議論すべきだと思います。

藤十郎さん

文楽の新作でも、スーパー歌舞伎みたいに大評判になるものが出るといいですね!

「あれでも本当に歌舞伎なのか」とまでいわれる新作に挑戦できるのはなぜでしょうね?

松竹の経済力とリーダーシップでしょうか?

お能は一期一会の公演なのに、よくお金のかかる新作を作られるなあと思います。

文楽より新作が多い印象です。もちろん、演者さんは文楽よりはるかに多いのですが。

世界的に人気の「攻殻機動隊」の新作能、面白いそうですよ。

早くも再再演が今年行われるそうです。


🎵如月さん

先代猿之助さんは喜熨斗(きのし)サーカスと言われても貫かれましたね。
文楽は少人数ということもあって、まとまり過ぎて冒険できないのでしょうね。
吉田勘弥さんたちがなさった十色会のようなグループが常設されて大阪府や市の補助で新作ができればいいのですが、今の政治家では補助は出ませんね。

藤十郎さん

喜熨斗(きのし)サーカス、面白いですね。

江戸時代に考案された宙乗りが廃れてずっとされていなかったなんて、信じられないです。

もっとも、最近聞いた話では昔は事故が多かったそうですが・・・そのせいかもしれません。

文楽は人数が少なすぎ、また一座しかないので、冒険しづらいのかなあと思います。

お能の宝生流はお若いご宗家のリーダーシップで、声優さんとのコラボ公演など面白い公演を色々なさっています。

そういう会では30才前後の熱烈な声優ファンの女性がたくさんいらっしゃるそうです(初めての能楽?)。


勘彌さんは十色会を経て見事に花開かれたそうですね!

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