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ぼったくり男爵 

アメリカのワシントンポストがコラムで東京オリンピックの中止を主張したようです。最近アメリカではいくつかの新聞が同じように中止の意見を明確に述べるようになりました。
翻って日本では、新聞社自体がオリンピックのスポンサーでもあるためか、なかなか思い切ったことは言えないようです。せいぜい「ほんとうに安全にできるのだろうか」「中止の議論を始めるべきではないか」というくらいでしょうか。スポーツ面では「○○選手がオリンピック出場権を獲得!」という記事を書き、総合面や内政面では開催に疑問の意見を書いているというちぐはぐな状態です。こういうところ、アメリカではどうなっているのでしょうか。また、ヨーロッパや今感染がひどい状態になっているインドなどではどんな考えなのでしょうか。
開催の是非についての世論調査は今でも「開催」「中止」「延期」の選択肢にしているところもありますが、もう

    「開催」と「中止」しかない

はずです。これまでの調査との比較をしたいからこうしているのであれば、追加で「現実には開催と中止しかなくなっていると思われますが、この二つから選ぶならどちらですか」という質問をすることはできないのでしょうか。そうでないと、新聞社は相変わらず「はっきりと「中止」という調査結果を出すのを嫌がっている」ようにも思えるのです。
こんなことを思っていたら、最新の読売新聞の調査(昨日発表)が「中止」「観客を制限して実施」「無観客で実施」の選択肢で調査をしていました。それによると、「中止する」は59%、「開催する」は「観客数を制限して」が16%、「観客を入れずに」が23%だったようです。これまで「延期」と言っていた人も、この選択肢ならほとんど「中止」に傾いているようです。
それにしても、何だか、海外のメディアから、真綿で首を絞められるように包囲網が近づいてきているように思えます。
ワシントンポストは、「IOCは開催国を食い物にするのか」「地方行脚で食料を食い尽くす王族だ」「儲けは自分たちのもので費用は開催国に押し付ける」「日本は『略奪はほかでやってくれ』というべきだ」「もし開催できなかったらIOCは日本を訴えるのか。そんなことをしたらどんな評判になることか」と非難して、IOCのバッハ会長を

    Baron von Ripper-off

と呼んだのだとか。「Baron」は「男爵」、「Ripper-off」は「はぎとる人」ということ。「追いはぎ男爵」と、英語のできない私なら言ってしまいそうですが、どなたなのでしょうか、それを「ぼったくり男爵」と翻訳したそうです。へー、と思って、「ぼったくり」をネットで調べたら、なるほど「rip off」と出てきました。
これがその当日(5月6日)のSNSで大拡散しました。ところがその翌日の新聞は、すべての新聞ではないのかもしれませんが、無反応というか、沈黙していました。新聞社の考えも国民の心から少しずつ離れてきているのではないか、「自分たちの都合」が優先しているのではないか、と勘繰ってみたくなりました。
さらにその後、IOCのコーツ副会長が「absolutely(絶対に)中止や延期はない」「(選手に)一生に一度のチャンスを失ってほしくない」と言ったらしく、それを受けて日本のSNSではまた「金の亡者が選手を出しにしている」などと厳しい声を挙げていました。近ごろのIOCの人たちは「何か言うと批判される」ので、さるスポーツ紙は「森前組織委員長状態」と揶揄していました。
ともかく、組織委員会も政府も東京都も、男爵に「日本はすごい」と言われて喜んでいる場合じゃありませんよ。

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