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小学校時代の懺悔(1) 

懐古癖が強くなってきたかもしれません。
最近、小学校時代の出来事を二つ、何の脈絡もなく思い出していました。
ひとつは4年生のときです。私は平凡で、何の特徴もないような子どもでした。勉強がずば抜けてできるわけでもなく、スポーツ万能でもなく、リーダーシップもなく、歌や絵もへただったのです。いつもクラス委員を務めるタイプの優秀な同級生をうらやましく思って見上げていました。
たまたまそういうタイプの同級生が二人、私の目の前で机を並べていました。というか、あのころはひとつの机が二人分(つまりかなり横長)くっついていたものでしたので、その二人分の机に彼らも座っていたのです。今でも名前を覚えています。M君とK君でした(笑)。二人とも成績優秀なだけでなく、いい意味でとてもはっきりとものを言う人で、何となく周辺に人が集まるような快活な人気者でした。
ある日、理科のテストがありました。今でもはっきり覚えているのですが、

    「てこの原理

を使った身の周りの道具を3つ答えなさい」という問題が出ました。私は、2つ(「はさみ」と「くぎぬき」だったかな)はすぐに思いついたのですが、あと一つは何だろう、と考えていました。そのとき、目の前の二人がなんだかこそこそ話しているような気がしたのです。そして彼らの視線の先を見ると、そこには開かれた教科書がありました。どうやら彼らも私と同じように悩んでいたと見えて、こっそり教科書を開いてカンニングしていたのです。「まさかこの優秀な二人がカンニングするなんて!」とわが目を疑いました。
今思えば、ちょっとした「子どものいたずら」のようなものですから、まあそう目くじらを立てるほどでもないよ、と、笑って済ませることもできますが、あのときは「優秀」と「カンニング」の

    不釣り合い

に大きなショックを受けたのです。
こんなことを思い出したのはなぜだったのでしょう。思い当たることとしては、最近しみじみと世の中の「エライ人」って結局私のような凡人と何ら変わらないんだ、と感じることが増えてきたことくらいです。それがあの思い出と二重写しになるのだと思うのです。彼らも普通の子どもだったんだな、と。
さて、私はあの時どうしたのでしょうか。「先生! M君とK君がカンニングしています!」と言ったのか。「君たち、そういうことはおやめなさい」と諭したのか。
実はどちらでもなかったのです。彼らが見ていた教科書に載っていた「てこの原理を使った道具」のうち、私が思いつかなかった「せんたくばさみ」という文字を見つけ、「あ、そうか」と思って答案用紙に「せんたくばさみ」と書いたのでした。
懺悔します。

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