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あと50字 

最後の詰めというのは肝心ですねぇ。
『竹取物語』の求婚譚(かぐや姫に対して貴公子たちが求婚する話)を学生さんと読むと必ずこういう感想が出てきました。たしかに、求婚者たちはみんないいところまで行くのですが、最後に失敗してしまうのです。
それは普段の自分自身のことについても思い当たることです。これまで詰めの甘さのために何度後悔したことか(笑)。
最近、新しい創作浄瑠璃を書きあげて、作曲してくださる師匠に送ろうとしたのですが、どういうわけかパソコンに不具合があったようで送れませんでした。すると師匠が「そんなにあせらないから」とおっしゃったものですから、私も何となくのんびりとかまえていたのです。
それで念のためにもういちど見直しているうちに何とも

    気になるところ

が出てきました。
こうなるともうじっとしてはいられません。
わずか50字くらいと思われる言葉を書き加えたいのです。しかしこれがなかなか思うようにいきません。浄瑠璃というのは散文ではありません。また、意味さえ分かればどんな言葉を使ってもいいというわけにもいかないのです。言葉を選ぶのにさんざん悩むのはいつものことですが、今回も結構苦労しました。
ウォーキングするときもプリントアウトした原稿をバインダーに挟んで持って行って、思いついたことを書き込むようにしています。こういう場合、公演の周辺を歩くと、ベンチが近くにあるので便利です。うっかり持って行くのを忘れた時は歩きながら考えて気づいたことがあると携帯のメモ機能のところに書いておくようにしたり、ポケットに入っていた

    スーパーのレシートの裏(笑)

にゴチャゴチャっとメモしたりもしました。
そうやって家に帰っては原稿を書き直し、また全体を眺めてみるのですが、やはり不満があってまたウォーキングに出る(笑)という始末でした。
このブログの記事であればわずか50字ならあっという間に書いてしまいます。しかし、浄瑠璃は詩であり音楽でもあります。となると、音の響きまで考えておかなければなりません。実際のところ、聞き手の方々がそこまで気にされるかどうかはわからないのですが、私としてはできる少なくとも自分の納得のいくところまでは工夫したいと思うのです。
そして、やっとそれができました。今度はパソコンが言うことを聞いてくれますように。

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