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ノートの使い道 

私は『上方芸能』という雑誌で文楽の仕事をしているとき、芝居を見ながら気がついたことを手元に置いたノートに走り書きするのが常でした。隣の席の人が気にすると申しわけありませんから、あまり手許を見ずに目は舞台、耳は床という姿勢を守って、そのうえで手だけを出来るだけ小さく動かすような感じでメモしていたように思います。使っていたノートは、できるだけ安物の、5冊まとめて200円とか、その程度のものでした。当然表紙にはスヌーピーの絵も描かれていませんし、中もカラフルなものではなく罫線が引かれているだけというものでした。こういうのに殴り書きをするものですから、時には後で読みなおすときに何を書いていたのかわからなくなることが少なくありませんでした。某大先生はもっと綿密なノートを作っていらっしゃって、すばらしい集中力で浄瑠璃を聴きながらぎしぎしと音がするような勢いで書き込みをなさっていたのを劇場で拝見したことがあります。やはり大先生ともなると違うものだと感心したのでした。
そのノート、捨てた記憶はないのですが、今手許には十数冊だけ残っていて、ほかのものはどこかに眠っているのかもしれません。そして『上方芸能』の仕事をやめることになったとき、多めに買っていたノートが余ってしまいました。私は何しろ始末屋ですので、それは

    普段の勉強

に流用することにしました。あちこちの図書館に持って行って、いろんな史料から抜き書きしたりするのです。ですから、表紙に「藤原道長の○○」などというタイトルが付いていたりするのです。
それでも今なお白紙のものがいくらか使いきれないまま残っています。もったいないですから何とか使いたいのですが、昨今、図書館に持って行くのはむしろパソコンで、その方がきれいに整理できるというのが正直なところです。短歌を書こうとしたこともあるのですが、これも思いついたことはスマホのメモ欄に入れればいいですし、あとで整理するのはやはりパソコンが便利です。
考えてみると、

    手書き

でデータを整理することがほんとうに減ってしまいました。こうなるとあまのじゃくな人間ですから、このノートを使って何とか手書きで勉強したくなってきます。昭和への回帰でしょうか(笑)。
手書きは、書きながら考えるのにうってつけですので、勉強としては効果があるかもしれません。また、一冊にまとまっていますから、パソコンのデータを眺めるより見やすいのは明らかです。書き込んだり消したりする場合も、どこが後から書き込んだものかがわかり、消したものも斜線を引いてしまったとしてもそこに残っていますから、自分の思考の経路が見渡せます。自分が何を考えてどう見直したのかが一目瞭然なのです。パソコンならきれいに整理され過ぎて、頭の中を往来した複雑な回路が見えません。さらに、持ち運びが手軽ですし、うっかり落としてもデータが壊れることはありません。
昭和人らしく、残っている白いノートをしっかり使い切りたいと思います。

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コメント

書いて覚える

わたしも手書きする機会がめっきり減りました。たまに手書きすると漢字が出てこなくて泣きそうになります。
でも何かを記憶するときには手書きがいちばんのように思います。一昨年にさる受験勉強をしました。覚えねばならないことは20センチ×10センチほどのメモ用紙に手書きしました。干からびかけた脳ミソに刻みつけるようになんども書きました。

🎵やたけたの熊さん

漢字が出てきませんね。老化のせいとは言い切れず、学生さんもいつもそんなことを言っています。
私はいつも国語辞典を脇に置いて、字や意味がわからなかったらすぐに引くようにしています。
受験勉強は、その時は苦しくても、合格したら「我ながらよく頑張ったな」と思えるでしょうね。

藤十郎さん

私もよく舞台を見ながらノートを取っています。朝から晩まで舞台を見ていると、情報量が多くて感じたことや気づいたことを自分の頭の中にしまっておくのは大変なので。

本当はメモを取るよりもっと感じることに集中したり、もっと厳選して書いた方がいいのかも、と思うこともありますが。

やはり評論をされる方もノートを取られるのですね。少し安心しました。

今は電子メモが人気ですが、舞台を見ながらタブレットやスマホを使っていると注意されるでしょうし、ノートを読み返すと面白いのでこれからもメモを取りたいと思います。手書きすることで脳の働きがよくなる効果もあるそうですね。

🎵如月さん

如月さんはよくメモを取られますよね。以前お話しした時も私の申し上げたことをちょこちょこと目もしていらっしゃったのでびっくりしました。
かなりボケてきましたので(笑)活性化は大事です。私も頑張ります。

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