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春の関雪邸 

以前このブログにも書いたと思うのですが、兵庫県宝塚市売布(めふ)に日本画家の橋本関雪(1883~1945)の別邸がありました。今でもその場所はあって、塀もそのままなのですが、あえて「ありました」と過去形でいうのは、阪神淡路大震災で潰滅的な被害を受けたからです。それ以前は時期によって内部が公開されていたのですが、その後一般人は立ち入ることができなくなったのです。
関雪邸で有名なものに三重塔があります。三重県のお寺にあったものを移築したのですが、個人の邸宅に三重塔があるなんて、不思議ですらあります。これは震災でも倒れなかったようで、今でも塀の外からわずかに九輪のあたりを確認することができます。
私が以前行ったのは昨年の2月のことでした。そのときに、門前にある

    枝垂れ桜

が咲く頃にまた来たいものだと思いました。しかしなかなかそういう余裕がないまま昨年のその時期は逃してしまったのです。今年は正直なところ忘れていたのですが(笑)、何かのはずみでふと思い出して、四月の上旬に行ってみることにしたのです。
阪急電鉄の売布神社の駅から5分ほどでしょうか、巡礼街道と称される道を歩いていくと、中国自動車道のすぐ横に立派な石練塀が見えてきました。そしてすぐに目に入ったのは、予想していたよりも立派で、支柱に支えられて横に広がる枝から鮮やかな赤い枝垂れ桜でした。
関雪と桜というと、京都の白沙村荘にも立派な枝垂れ桜がありますし、京都に何か恩返しがしたいと考えた関雪と妻の「よね」さんが、1921年(大正10年)に京都市に300本の桜の苗木を寄贈したこともありました。その苗木は、若王子橋から銀閣寺までの疎水に沿った道、のちに

    哲学の道

と呼ばれるところに植えられて春を彩ることになったのです。当時の桜はもうほぼないのだそうですが、植え替えがおこなわれて、代替わりをしたものは、今も「関雪桜」と呼ばれて親しまれています。
さて私は宝塚市の関雪邸の枝垂れ桜に見惚れていたのですが、満足して帰ろうと思ってふと横を見ると、そこにはとても立派な青紅葉があるではありませんか。門に向かって左に桜、右に楓が植えられていて、その対照がとてもすてきでした。
まったく予想もしていなかった光景で、見る角度によっては青紅葉と枝垂れ桜が重なって見えて、鮮やかでした。
秋になると今度はあの紅葉が美しいのだろう、と思い、またその時期に行ってみたいと思ったのです。

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