fc2ブログ

一億円の献金 

オウム真理教という団体が大きな問題を起こした時、お金を吸い取られた人や悪事に加担した人たちは、なぜこんな「宗教」に自分の人生をダメにさせられていることに気がつかないのだろう、と不思議に思いました。
犯罪の実行犯だった人たちの多くはかなりのインテリでした。理系の、理屈を言わせたら誰にも負けないというようなエキスパートのような人が、ころっと騙されたのです。あとになって目が覚めた、という人もありました。
彼らは教団内での地位が高かったのですが、そうではない人たちも、本来は何らかの苦悩を抱えて救いを求めたはずなのに、いつの間にか拷問のようなことをされたり財産を奪われたりしたことが知られ、あげくには命まで失った(あるいは行方不明の)人がたくさんいました。

    cult

という単語を英和辞典で調べると、「宗教的な儀式」「礼拝」という意味が出てきます。これだと穏健なイメージがあるのですが、今ではそういうニュアンスで用いられることは、少なくとも日本語として使われる場合はほとんどなくなってきました。英和辞典にはこのほかに「(非科学的な)治療術」という意味が書かれていて、こうなるといささか怪しくなってきます。そして、我々が最もよく知っている「狂信的集団」「狂信的宗教の信者」という意味が書かれているのです。
随分前に、私は仕事がらみで、ある新興宗教の施設に入ったことがあります。そこには若い人たちが何も言わずに額づいていたり、じっと坐っていたりしていて、何とも不思議な空間でした。その教団についてはよく知りませんので悪口を言うつもりはありませんし、深い悩みを持つ人が自分や社会を見つめ直す気持ちを持っているなら立派な姿なのかもしれません。
以前から霊感商法などで問題視されていた団体の政治家との関係が、思いがけない形でクローズアップされました。みなさんご存じの通りの、国会議員を射殺した事件です。この事件の容疑者の母親が宗教団体に

    1億円以上

を献金した、という報道があってびっくりしました。私なら1億円稼ぐのに30年はかかり、「生涯賃金に匹敵するじゃん!」と目が点になり(古い言い方!)ました。この母親は夫の生命保険や不動産の売却で得たお金をほぼそっくり寄付してしまったようです。夫の保険というのが何と5千万円だったそうで、ずいぶん多額です。何となく、生命保険というのは2千万円くらいのものと思い込んでいましたので、それは単に私が貧乏人だからなのでしょうか。いずれにせよ、自己破産するまで献金を続けるというのは異様な感じがします。
容疑者はその宗教団体に強い恨みを持ったらしく、その団体と関係が深いと見なされるあの議員に銃を向けることで報復しようとしたようです。
人間は思いもよらないことをしてしまいます。宗教にのめり込んで破産してしまうことはけっして珍しいことではなく、宗教以外でも、つまらない男にお金を貢いだとか、賭け事に桁外れのお金を費やしたとかということがあり、これらも根は同じではないかと思います。
殺人はもちろん犯罪ですからダメです。しかし、そんな重大な罪を犯す根本的な原因を見のがしてはならないように思います。問題の宗教団体はとぼけた顔をして、政治家も触れられたくない人が多いので口ごもり、そこで警察・検察やメディアが立ち向かうのかというと今や信用できない。政治にからんでいるからこそ追及すべきなのに、逆に政治にからんでいるがゆえに及び腰になるとしたらこの世は真っ暗だと感じます。

にほんブログ村 演劇・ダンスブログへ
にほんブログ村
↑応援お願いします
KatayamaGoをフォローしましょう

スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tohjurou.blog55.fc2.com/tb.php/6168-c125e956