くだもの
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以前も書いたことがあると思うのですが、「あき(秋)」という言葉は「あきな(商)う」の「あき」と同じことだといわれます。「~なう」というのは「ともなう」「おこなう」の「なう」と同じで、あることをする意味を持ちます。ですから「あきなう」は「あき」ということをするのです。それはつまり、この季節になって収穫したものを取引することです。
やはり秋という季節は収穫の季節なのですね。
一番大事なものはやはり米でしょう。ほかにも秋の味覚はさまざまです。「くだもの」というのは「木のもの」という意味で、木に生った実を言います。「だ」は「な」と同じく「~の」の意味です。「な」が「~の」の意味で用いられる言葉には「まなこ=目の子」などがあります。「だ」は「けだもの=毛のもの」ですね。
子どものころ、大阪府豊能郡能勢町に「栗拾い」に行ったことがあります。なぜ能勢町なのかというと、やはり近隣では栗の名産地だからだったと思います。
能勢の栗は
「銀寄(ぎんよせ)」
と言われます。江戸時代に、広島から栗を移して植えたのが能勢の栗で、飢饉のときに飛ぶように売れたのだそうです。当時の大坂は「銀」本位でしたから、高値で売れて「銀をたくさん集めた(寄せた)栗」というので「銀寄」「銀寄栗」と言われるのです。
能勢町は米をはじめとする農産物、炭、建築材などの資源があって、なかなか豊かなところです。浄瑠璃が発達したのもゆえなしとしないと思います。
私は、くだもので一番好きなのは梨です。柿のような実の詰まった感じのものよりあの水っぽさがたまらなく好きなのです。畏友松平盟子さんの
梨の名は幸水豊水
しらたまの歯はさくさくと
その水をかむ
という歌が大好きで、梨を味わうと必ず思い出します。
栗も好きですが、何と言ってもあの皮むきが面倒です(笑)。最近は専用の皮むき器があるらしいですが、そういうものを手に入れるほどこの果物に思い入れはありません。
ほかにも、桃、ぶどう、いちじく、柿、ざくろ、りんごなどいろいろありますが、私は出されたらおいしくいただきますが、みずから好んで食べることはあまりありません。
平安時代の人たちももちろんよく食べました。柑子、桃、柿、びわ、なつめ、ぐみ、ゆず、あけびなどなかなか多様だったようで、貴族の宴会の場にもよく出されたようです。
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- [2022/11/14 00:00]
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