お話ししてきました
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某所で、平安時代の出産と文学についてお話ししてきました。
私は史料(古文書、古文献など)を扱うのが好きですが、いつも文学や文化に関係づけながら読むようにしています。もともとは文学専攻ですので、文学作品ばかり読んでいたのですが、山中裕先生という日本史の先生に古記録(貴族の日記)の読み方を教わるようになって、読めないながらも史料を使って論文を書くことが苦にならなくなりました。
研究会では、同年代の日本史専攻の大学院生とも切磋琢磨できたことも有益だったと思います。多少私の方が文学は読んでいましたし、一方彼らはわけのわからないような難しい古文書などをすらすら読みますから、お互いに補えたのではないかと思います。実際は私が一方的に教わっていたのですが、何かのはずみで文学の話題になると多少はものが言えたと思います。
あのころの大学院生たちは、一流の学者になった人、高校の教師になって教育に情熱を燃やした人、専業主婦になって子育てに励んだ人などみなさん立派になられました。一介の
安物教員
として時間を過ごしてきた私から見るとまぶしい存在の人ばかりです。ただ、山中先生も亡くなりましたし、かつての仲間の中にも若くして亡くなった人もいて、少しずつ寂しくなってきました。
あのころの勉強のおかげで、このたびのお話もできたようなものです。山中先生や仲間の人たちから教わったことを思い出しながら、この夏に勉強したことをお話ししたのです。しゃべりながら、平安博物館(今は京都府文化博物館別館)や思文閣会館などでの研究会の風景を思い出すこともありました。
史料は、医学書の
『医心方』
を筆頭に、古記録(藤原道長の日記)や絵巻物も使いました。そして文学作品としては特に『うつほ物語』『紫式部日記』『栄花物語』にお世話になりました。『落窪物語』『源氏物語』『浜松中納言物語』『夜の寝覚』『狭衣物語』『とりかへばや物語』なども勉強していたのですが、時間がなくてあまり詳しくは触れられませんでした。
海外のものも少しだけ触れてみました。このブログで如月さんからヒントをいただいて、マリー・アントワネットの生涯を描いたカンパン夫人の著作も使いました。1世紀のローマのレリーフに描かれた出産の様子や、17世紀イギリス貴族の出産用のイスなども写真で紹介してみました。
てんこ盛りで「何の話なのか分からない」とお感じになった方もいらっしゃるかもしれませんが、どうも私が話すとこうなってしまいますのでご容赦いただくほかはありません。
今度は「平安時代のトイレと文学」なんてどうかな、と思っています。
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- [2022/11/26 00:00]
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