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億劫 

数字の単位で実感の湧くのは、私の場合「万」がせいぜいです(笑)。「億」になるともうダメです。しかし日本の国家予算とか借金の話になると「兆」という単位があたりまえになり、そのうちに借金が「京(けい)」の単位に到達するのではないかと不安になります。「京」というと「富岳」の前のスパコンの名前にありました。江戸時代に吉田光由が記した算術書の『塵劫記』が記すところでは、「京」の上は、「垓」「じょ(のぎへんに「予」)」「穣」「溝」「澗」「正」「載」「極」「恒河沙」「阿僧祇」「那由多」「不可思議」「無量大数」・・と続きます。私も「1恒河沙」円くらいのお金が欲しいです(笑)。これらの単位はもともと仏教やヒンドゥー教に由来する言葉で、「恒河沙」はガンジス川の砂を意味します(サンスクリット語の「ガンガー」を漢字に当てはめたのが「恒河」つまりガンジス川で、「沙」は「砂」と同じです)。異説はありますが、無量大数といえば10の68乗だそうで、まさに天文学的な数字です。
話は変わるのですが、「億劫(おくごう、おくこう、おっこう)」というのも、もともと仏教の言葉です。「億」はもちろん数字の単位。「劫」も桁外れに長い時間の単位です。「劫」の意味についてはいろんな説もあるようですが、巨岩を100年に一度(3000年に一度とも)天人が羽衣で撫でて、その岩が擦り切れてなくなるまでの時間とも言われます。「未来永劫」という言葉や落語『寿限無』の「五劫のすりきれ」などにも用いられる字で、どちらも「永久」に近い意味合いです。その「劫」にさらに「億」を掛けたのが「億劫」で、もっと詳しく言うと「百千万億劫」なのです。「劫」だけでも気の遠くなるような時間なのに、それにさらに「億」をつけたのですね。
とてつもなく長い時間であるがゆえに、何をするにも面倒で

    気が進まなくなる

という意味に発展していったのが、我々がよく使う「億劫(おっくう)」です。この「おっくう」を漢字で書けと言われると、「憶劫」「臆劫」と誤記する人が意外に多いのです。「気が進まない」の意味と数の単位とは関係ないだろう、と考えるのも当然とも言えそうですけれども。
もう何年も続くのですが、私は何ごとをするのも億劫になりがちで、ものごとをスピーディにこなすことができなくなっています。
原因はいろいろあると思うのですが、ひとつは生まれつき

    鈍重

であること。これはもうどうしようもないだろうと思います。
もうひとつはやはり障害の影響だろうと思います。ほとんど人と話すことがないため精神的に孤立してしまい、何をするのも臆病(こちらは「臆」の字ですね)になって、前向きになれません。ひとつのメールを送るのに、とてつもなく時間がかかることがあり、他人様に迷惑をおかけすることがしばしばです。
これではいけない、といつも思うのですが、なかなか思いどおりにはできないのです。今日、この記事を書いたことで、何とか一歩でも前に進もうと思っています。私がブログを書き続ける理由は自分を鼓舞するためでもあります。

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