悪いことはしません
- 日々牛歩
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研究費の不正取得などの犯罪行為があとを絶たないらしく、もはや大学教員は誰もが犯罪予備軍で、放っておいたらとんでもないことになると思われているようです。いくらなんでもそこまで思われているはずはないだろう、とお考えになるでしょうか。でも、まんざら被害妄想でもないのです。
昨今は、コンプライアンスというのがとても重んじられていますが、それに加えて研究者の倫理も大きな問題になっているようです。間違ったことをしてはいけない、というのはあたりまえだと思っていましたが、してはならないことをする人はやはりいるようです。そこで、何と、研究者向けに法や研究倫理の講座のようなものがあって「やっちゃだめですよ」「こんな罰則がありますよ」ということを教えてもらわなければならないのだそうです。パソコンでどこかのコンサル会社みたいなところなのでしょうか、そこのエライ人らしい人のお話を謹聴しないと大変なことになるのだそうです。しかし私はその人が何をしゃべろうがわかりません。
じゃあ、どうせ聞こえないのだから、ありがたく拝聴いたしましたということにしておけばいいよね、と考えていたら、
それは甘い
のです。なんとその説明の理解度テストがあるのですよ! これを10問解いて(三択だったか四択だったかの問題です)送信しないと聴いたことにならないのだそうです。そんなこと言われても私にはできません。その社長さんか所長さんかの説明は1時間半くらいあったと思うのですが、画面を流してぼんやりしていても何も理解できませんし、画面に出てくるスライドはその人の姿がずっと映っていて動くこともありますので部分的に隠れてしまって見にくいのです。しかも画面は小さいですから、小さな文字は見えにくく、途方に暮れていました。ところが、ふと気がつくと、とても詳細なパワーポイントのスライド(画面に出てきたのと同じもの)が添付されていたのです。早速それをプリントアウトしてそれだけを頼りに問題をやってみると、あっという間に(10分くらいだったと思います)できました。
「こんなのでいいのかな」と思いながら、ほかにどうしようもなく、とにかく送信しておきました。ちなみに成績がわかるようになっているのですが、私は満点でした(たぶんほとんどの人が満点です)。
ではこれで終わりかと言うとまだそうではなく、何だか誓約書のようなものを書かされました。私は悪いことはしません、もししたら
叱られても文句は言いません
という感じのものでした。
やれといわれたのでやってみましたが、終わった瞬間、何だか虚しい気分になってため息が出ました。こんなことをしないと信じてもらいないことにも哀しみを覚えましたが、こんな長い動画を流して、実際のところどれだけ多くの人が学ぶことができたのか、疑問なしとしません。ひょっとすると健常者の人でも私と同じようにスライドを見ただけで終わったのではないでしょうか。
心にやましいことがある人だけに「役に立ち」、そうでない善良な大半の人には釈迦に説法で終わったような気がします。私ももう中味の詳細は覚えていませんし、早い話が「悪いことはしないでください」と言われて終わっただけでした。
補助金などを盾に、いかにも「やってます」という姿勢を見せるだけならあまり意味はないのではないかとすら思いました。
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- [2023/03/21 00:00]
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