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和歌の朗詠 

和歌は歌うものです。もちろん、書いて送って相手が黙読することも多いのですが、たとえ書かれたものでもそれを見て口ずさむように歌うこともあったのです。歌を詠みかけることは恋愛の大切な手段で、古代には「歌懸き」(うたがき)という、春と秋の行事もありました。米の種まきのあとと収穫のあとに神を祀って宴会のようなことをして男女が歌を詠み、自由な恋愛をしたのです。「うたがき」は、東国では「かがひ」とも言いました。
おそらくそのときは歌の内容もさることながら、歌う人の声の良しあしも恋愛の成果につながったのではないかと想像しています。
ずいぶん昔のことですが、

    犬養孝先生

という万葉集の研究者がいらっしゃいました。この方は大学の先生であると同時に、万葉の旅をなさったり講演をなさったりで、ほんとうに御多忙な先生でした。
この方が絶大な人気を誇られた理由のひとつは、万葉集の和歌を朗詠されたことです。何しろ今でもAmazonを覗くと犬養先生の万葉集関係のCDがいくつも並んでいるくらいです。
私は業務としてこの先生の88歳のお祝いの会に行くように言われ、桂米朝師匠と同じテーブル(!)で、タダでおいしいものをいただいたことがありました(業務ですから)。
犬養先生が講演されるとなると、どこへ行っても多くのファンが詰めかけ、あるとき、神戸の某女子大で和歌の学会があったので行ったのですが、そのときの特別講演がその大学の名誉教授になっていらっしゃった犬養先生。するとどう見ても学者さんではなくファンとしか思えない人が詰めかけているのです。そして犬養先生が講演の途中で何度も歌を朗唱されるのですが、会場からは唱和する声が上がります。それも遠慮がちに声を出されるのではなく、大きな声を出されるのです。

    「これ、学会でしょ?」

と首をかしげるくらいで、そのうちにペンライトでも振る人が現れるのではないかと思うくらいの「コンサート」でした。そして先生の講演が終わっていよいよ学会発表となると、ファンの皆さんが一斉にお帰りになり、実に閑散とした会になったのでした。
でも、和歌を朗詠するのはとてもいいことだと思っている私は、とてもあの先生の真似はできませんが、和歌とも義太夫とも(笑)とられかねないような歌い方で詠むのが好きです。
『源氏物語』の講読会でも何とか節をつけて歌ってみようかな、と思ったりしています。

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コメント

歩く犬養先生

高校生のとき「犬養孝先生講演会」の貼り紙を校内で見ました。PTA主催の講演会だったと思います。会場からスーツ姿のお年寄りが出てこられました。それほどのお歳ではなかったかも知れませんが、高校生から見ると60歳以上はお年寄りに感じました。
お名前だけは存じてましたので「このひとが犬養先生か!」と。
米朝師匠と同じテーブルになられたんですね。いいなぁ。「師匠おひとつ」とお酒を勧めたりされたのでしょうか。

🎵やたけたの熊さん

やたけたの熊さんが高校時代なら、今の熊さんくらいのお歳だったはずです。
確かに60歳を超えると貫禄のあるおじいさんでしたね。
米朝師匠の周りは挨拶する人が引きも切らず、私など恐れ多くて近寄れませんでした。同じテーブルには「令和」の中西進さんもいました。

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